Dr.Sのスペシャルコラム
早く、キレイ、痛みなく治す 新しい創傷治療の考え方と手技
正しい創傷治療
美容外科専門医からの提言
~ 早く、キレイ、痛みなく治す 新しい創傷治療の考え方と手技 ~
ここ数年で傷のケアに対する考え方や治療法が大きく変化を遂げました。
これまでは、擦り傷でも切り傷でもまず消毒して清潔なガーゼを当てて早く瘡蓋を作る。そして毎日消毒して清潔なガーゼでしっかり傷を覆う。という処置を何の疑いもなく医師も医療従事者も保護者もスポーツ指導者も行ってきました。
しかし、これら従来の治療法は大きな誤りであり 従来の処置を繰り返せば繰り返すほど傷の治りは悪くなり痛みは増強し汚い傷跡が残ります。
20年以上、美容外科専門医として傷をいかにキレイに早く、痛みが少ない方法で治癒させるかを臨床的研究に取り組んできました。
小外科手術を含め数万症例の手術や傷のケアの中で臨床経験と創傷処置理論がぴったりと一致しました。
痛みなく、早く、キレイにしかも 安価で簡単にできるケアです。
最新の傷のケアの考え方、手技を紹介させていただきます。
子供の傷、スポーツ選手の傷、すべてに適応できる正しい理論と処置法です。
あなたのお子様が通う幼稚園や学校では傷に消毒していませんか?
ガーゼを直接当てるようなことをしていませんか?
入浴を禁止していませんか?
しっかり確認してください。
たかが傷ではありません。
傷は日常生活で最も起こりうる私たち生体への侵襲であり、誰もが体験することです。
傷により大きなストレスが加わり日常生活や学業などに大きな制限が生じてしまいます。
傷は早く、痛みなく、制限なく、安価に簡単に治せるのです。
このHPの内容をぜひ、ご家族、お友達、周りの方々へ教えてあげてくださいね。
素晴らしい医学知識普及のボランティア活動となるでしょう。
正しい傷の処置
傷の処置には特別な医療用材料も使用しなくても必要十分な対応が可能です。
1:傷には絶対に消毒しない。(いかなる消毒薬も使用しないこと)
2:傷には絶対、直接ガーゼを当てない。(被覆材の上からはOK)
3:傷はすぐに水道水で洗う。(出来る限り異物を除去する)
4:絆創膏の使用は閉鎖性のもののみとする。(傷を乾燥させない)
5:傷は食品用サランラップで覆う(ワセリンを塗ってもよい)か医療用被覆材
(最近は薬局でも手に入ります。)ですぐに覆う(この上からガーゼや保護材を覆うことはよい)。
6:傷の処置の準備としてビタミンC誘導体ジェルを塗布する。
(市販のドクターズコスメで燐酸アスコルビン酸Naが含まれているもの)
ビタミンC誘導体には線維芽細胞の働きを高め傷の治癒を促進し色素沈着を抑制する
効果があります。驚くほどの治療効果が得られる場合もあります。
7:出血は単純に圧迫。
8:刺創、深い切創、異物が混入したり組織の大きな挫滅があるようであれば速やかに
専門医療機関を受診する。
9:傷にクリームは絶対使用しない。
(オロナインH軟膏は基材がクリームのため傷には絶対に塗ってはいけない)
クリームは界面活性剤であり細胞障害性があるため絶対に傷に塗ってはいけない。
10:原則としまして翌日からシャワー、入浴を許可。創面を濡らしても問題ありません。
他人の傷を処置するときは必ず感染防止のためディスポーザブルの手袋(清潔なものでなくてよい)をはめて行うようにします。
素手で他人の傷のケアを行ってはいけません。
少し違和感を覚える方もいるようですが、医学的に正しい傷のケアです。
最近では創傷メカニズムの研究も進み創傷治癒理論に基づいた適切な創傷被覆材を使用すれば、飛躍的に創傷の治癒期間が短縮されます。
MOIST WOUND HEALING という考え方で数多くの被覆材が開発されています。
医療機関では
・デブリドマンによる壊死組織の軽減と創底の血流改善
・感染制御
・過剰な滲出液の軽減
を目標に創傷のケアを行いますが、急性期と慢性期の創傷では若干ケアの方法が異なります。
スポーツ外傷では急性期のケアが主となりますので急性期のケアを中心に解説させていただきます。
まず、その前に簡単に傷の治癒する仕組みを解説しましょう。
浅い皮膚欠損創は露出した真皮に表皮細胞が覆うことで傷は治癒します。
この時、表皮細胞は毛孔から移動・分裂して露出した真皮を覆います。また周囲の表皮細胞からの移動・分裂もあり毛孔が残存している浅い傷は、適切なケアを行えば数日で完全に治癒するケースがほとんどです。
深い皮膚欠損創(皮下脂肪組織や筋肉、骨に到達するもの)では肉芽組織が出現して周囲の表皮細胞の移動・分裂が起こります。肉芽組織は収縮する性質があり欠損創が少しづつ収縮して創が閉鎖されていきます。
縫合創では
1:創部の血小板が活性化され凝集して止血が起こる
2:白血球(好中球)が組織内へ浸潤
3:マクロファージが組織内へ浸潤
4:表皮細胞が創面を覆う
5:線維芽細胞がコラーゲンを産生
6:毛細血管が増殖
創面には血小板をはじめ多くの細胞が集まってきて細胞成長因子を分泌して傷を治そうとします。
創面がジュクジュクしているのは化膿しているのではなく正常な創の治癒過程であることをしっかり認識すべきです。
創面を閉鎖して湿潤環境を保てば、細胞成長因子がどんどん出現して短期間での治癒が可能となります。
創面では細胞培養と全く同じ現象が起こっているのです。
培地は傷表面、培養液は滲出液です。
培養には必ず培養液が必要です。
培養液がないと細胞は死滅してしまいます。
つまり創面は決して乾かしてはいけません。
ガーゼを直接創面へ当ててはいけないのです。
創の処置で特に重要な事項についてご紹介します。
1:洗浄
傷を負った直後に真っ先に行うべきケアが止血と洗浄です。
特に洗浄は異物混入による感染のリスクを軽減するので入念に行うべきです。
傷の奥深く異物が混入していたり多量の泥や砂、ガラスが混入している場合は速やかに専門医療機関へ送り適切なデブリードマン、ブラッシングなどの処置を受けるべきです。この場合は麻酔が必要なことが多いでしょう。
洗浄は清潔な生理食塩水でと医学書にも記載されていますが、これは全く根拠が無く、洗浄は水道水で十分です。
水道水はどこにでもあるものであり早急にケアができるのでどんな場面でも対応可能ですね。
清潔な精製水や生理食塩水で洗浄しなくてはいけないことはありえません。
水道水との優位差は一切ありません。
2:消毒
消毒薬ポビドン・ヨード(商品名イソジン,ネオヨジン,マイクロシールド)のうち,イソジンが一般的なスポーツや医療現場で消毒薬として頻繁に使用されているようです。
いかなる消毒薬も傷に対して治癒を促進する効果は一切ありません。
しかし、イソジンの殺菌作用はヨウ素の酸化力により、その殺菌力は細菌にだけ有効なのではなく,生体細胞全般に分け隔てなく作用し傷を治癒させるために必要な細胞も殺します。
イソジンンの細胞毒性はすでに各論文で明確になっています。
細菌と何かの有機物が共存していれば,イソジンの殺菌力は低下します。
化膿している傷は有機物だらけですので膿だらけの傷,出血している傷ではイソジンの殺菌力はかなり低下して添加物による細胞毒性は残存しています。
となると,傷を消毒すると言う行為は,殺菌のためではなく傷を感染させやすい状態を作り傷の治りを悪くする行為に他なりません。
消毒ではなく傷毒なのです。
マキロン、キズドライ、オキシフルなどの消毒薬も同様です。
医療現場ではクロルヘキシジン(ヒビテン、マスキン)はアナフィラキシーショックで多数の死亡事例も報告されています。
今沢 隆ら:グルコン酸クロルヘキシジン使用後にアナフィラキシーショックを起こした
1症例. 日形会誌, 23; 582-588, 2003
傷の治りを悪くするだけでなく大きなリスクの可能性もあり、痛みも増強する消毒は絶対に行うべきではありません。
一刻も早く傷を治して競技に復帰したいアスリートにとって傷の消毒は百害あって一利無しなのです。
子供達も消毒の痛みに激しく怯え、泣き、トラウマになってしまうかもしれません。
自宅に備えてあるマキロンやオキシフル、イソジン、キズドライはすぐにゴミ箱へ捨ててください。
使用する機会はもう無くなります。
幼稚園や学校で消毒されたら 先生に伝えましょう。
絶対に子供に消毒させないでほしいと。
消毒は現代医学で傷のケアには否定された治療法であると。
勉強されている幼稚園の先生や学校の先生は必ずその申し出に優しくかつ迅速に対応されるはずです。
子供達に傷には水道水ですぐ洗えば大丈夫、消毒は絶対禁止と・・・
子供達は口々に唱えるでしょう。
私の子供の通う幼稚園もこの申し出に即座にご対応され 正しい傷のケアを幼稚園全体で取り組まれました。
安心して子供を通わせることができる素晴らしい幼稚園です。
私の20年以上の臨床経験で傷を消毒しなくて感染症が発症したり傷の治癒が遷延した事例は皆無です。
毎日、ガーゼの張り替え、傷を消毒して治癒が遅れ競技に支障をきたしたアスリートの事例を数多く診てきました。これらの行為はアスリートの選手生命を脅かすこともあるのです。
3:ガーゼ
傷に直接ガーゼを当てたらどうなるのでしょうか?
ガーゼを傷に当てることで感染が防げたり、傷が早く治ったり、痛みが軽減することはありません。
唯一、効果があるとすれば一時的な止血ができるだけです。
傷にくっついたガーゼをはがすとき出血を起こしせっかく治るための細胞が集まってきた場を乱暴にもむしり取ることになります。
ガーゼを当てると血液がガーゼに吸収され、傷が乾燥してせっかく傷を治すために現れた細胞を死滅させます。
ですから傷へガーゼを直接貼るという行為は絶対に行ってはいけません。
ガーゼは創面の破壊材料なのです。
傷の保護という目的であれば食品用サランラップを傷に直接当てその上からガーゼを当てるケアが最も単純で短時間で可能です。
傷にはそもそも周りの皮膚から常在菌が入ってくるのですから清潔なガーゼを当てるという行為も医学的根拠がありません。
4:湿潤ケア
傷は乾燥させないことが最も大切なケアの一つです。
これは縫合創でも同じです。
以前は、早く乾かして瘡蓋を作らせることが傷ケアのゴールドスタンダードのように言われていましたが、傷の乾燥は確実に創傷治癒を遅らせます。
医療機関へ行くほどでないと考えられている傷もケア次第では感染が起こったり、強い痛みで競技が継続できなくなったり、いつまでも傷が治癒しなくて精神的にもストレスを感じたり、やっと治ったと思ったら醜い傷跡で悩むこともあります。
5:入浴
入浴により治癒が遅れることはありません。
美容外科医としてこれまで多くの外科手術を行ってきましたが患者様を入浴制限させていた時より翌日から入浴させ創面を軽く洗浄するように指示してからの方がはるかに創面の治癒期間が短縮されキレイに治るようになりました。
出血が止まっていれば翌日からの入浴、シャワーは可能です。
頭部の外傷でも翌日から傷を直接刺激しないようにシャンプーによる洗髪も可能です。
怖がって創面を洗わないとかえって不潔になり汚物が溜まって感染源にもなりうるのです。
スポーツ選手だからキレイに治す必要はないと考えている指導者はいませんか?
傷がキレイに治ることは、早く、痛みが少なく治ることです。
ですからスポーツ選手の傷はキレイに治すべきで、傷はスポーツ競技の勲章などと考えてはいけません。
正しい、ケアの方法を知って適切に処置すれば
1:極めて少ない痛み
2:短期間で傷が消失
3:キレイな傷痕
として傷が治ります。
まず、競技現場でコーチや関係者が簡単に処置できる傷のケアをご紹介しましょう。
1) 水道水で傷をよく洗浄する。この際、絶対に消毒しない。(他人の傷の処置をする時は必ずディスポの手袋をご使用ください)
2) 出血があれば圧迫して止血する。この時、ガーゼによる一時的止血での使用はよい。
3) 準備ができていれば ハイドロコロイドドレッシング材(市販のものはバンドエイドキズパワーパッド、ビジダーム)で覆う。もしなければ食品用サランラップを当てその上からガーゼで保護してテープで固定。この場合、ワセリンが準備してあればワセリンを傷に塗ってその上からサランラップで覆うとよいでしょう。
4) 翌日、傷の状態を確認してサランラップを張り替える。(ジュクジュクしていても決して傷を乾燥させてはいけません。)
現在では医療用の創傷被覆材と同じものが薬局で市販されていますので、必ず準備しておくことをお勧めします。
代表的な医療用創傷被覆材の種類
1) ポリウレタンフィルム・ドレッシング材
商品名でいうと,テガダーム(3M),オプサイトウンド(Smith & Nephew),IV3000(Smith & Nepnew),バイオクルーシブ(Johnson & Johnson)などがある。
片面が粘着面となっている透明なフィルムで,水蒸気や酸素が透過でき,中が蒸れないようになっています。
出血を伴わない創面,あるいは水疱の保護,褥瘡の予防などに使われます。
2)ハイドロコロイド・ドレッシング材
商品名ではデュオアクティブ(Convatec),コムフィール(コロプラスト),テガソーブ(3M),アブソキュア(日東メディカル)など。
シート状になっていて,外側が防水層,内側が親水性コロイド粒子を含む粘着面になっています。
外側の防水層により外気から遮断されます。水性コロイド粒子は浸出液を吸収することで湿潤したゲルとなり,この湿潤環境が肉芽増生,上皮細胞の移動に最適の環境を提供し、外気中の酸素を遮断するため,代償的に創部の毛細血管形成が促進されます。
創面のコロイド粒子がゲル化するため,創面に癒着することはありません。
新鮮外傷での使用、指のように円柱状の部位の皮膚欠損では,創面に適合しやすい薄いデュオアクティブが非常に有用で貼っていても目立ちません。
3)ポリウレタンフォーム・ドレッシング材
商品名ではハイドロサイト(Smith & Nephew)。
一番外側が水分を通さないポリウレタンフィルム,一番内側が非固着性の薄いポリウレタンで,これらに厚い親水性吸収フォームが挟まれています。
中層は高い吸水性を持ち,浸出液を吸収し,かつ適度の水分を保持し創面の湿潤環境を保ちます。
ドレッシング材自体が溶けないため,浸出液の多い創面がよい適応。
指尖部損傷に威力を発揮します。ハイドロサイトで指尖部を覆うと,ドレッシング材自体に厚みとクッション性があるため痛みが軽減します。
4) アルギン酸塩被覆材
商品名ではカルトスタット(Convatec),ソーブサン(アルケア),アルゴダーム(メディコン),クラビオAG(クラレ)など。
海草のコンブから抽出されたアルギン酸塩を繊維状にして不織布にしたもの。
アルギン酸は自重の15~20倍の水分を吸収し,浸出液などのナトリウムイオンを含む水分を吸収するとゲル化。このゲルが創面の湿潤環境を保ちます。
ゲル化する際にカルシウムイオンを放出することで極めて強力な止血効果を有します。
指尖部切断のように通常の圧迫ではなかなか止血しない場合でも,アルギン酸塩で被覆して密封し,患部を挙上しておくと容易に止血可能です。
この被覆材は「出血を伴う皮膚欠損創」には最適であり,受傷直後の処置はこれだけで十分。
5)ハイドロジェル・ドレッシング材
商品名ではジェリパーム(竹虎),ニュージェル(Johnson & Johnson),イントラサイト(Smith & Nephew),グラニュゲル(Convatec),クリアサイト(日本シグマックス)など。
親水性ポリマー分子が架橋を作り,マトリックス構造をとり,その中に水分を含んでいます。
水分量が製品ごとに違っています。水分量も97%というものから60%程度と様々です。
通常は,フィルムドレッシングで密封して利用します。
この被覆材が最も効果を発揮するのは滲出液が少ない「乾燥気味の開放創」。
また,深い陥凹となっている開放創にも利用でき、組織欠損を伴っている創をこの被覆材で充填し,密封すると急速な肉芽増殖が起こり,陥凹がかなり早く肉芽で平坦化します。
医療機関での傷の処置と考え方
私のクリニックには一般のアスリート以外にも多くの格闘技の選手が試合後の傷の治療で訪れます。
その中でも打撃系の格闘家であるプロボクサー、キックボクサーの傷は切創、挫傷が多く縫合を必要とするケースがほとんどです。
この場合、傷のケアの方法により傷の治癒期間、その後の選手の競技パフォーマンスに大きな影響を与えます。
切創は単純に縫合した場合と真皮縫合を行った場合では、外見は同じでも真皮での組織の治癒には大きく差がみられます。
アスリートではない一般の方の場合は、真皮縫合を行わない場合もありますが、打撃系の格闘家の場合には傷の部位にパンチが当たって傷口が開けばTKO負けになることもあり、傷の補強が必須です。
一般に真皮層まで含んで傷の完全治癒機転が終了したと考えられるには2年、最低でも半年の期間を要します。
その間、傷に外力が作用すると容易に傷は開きます。
このため真皮縫合が大切な傷のケアになります。
また、傷の縫合で不十分な場合は血腫が 発生し感染が生じると周囲の組織が壊死して治癒機関の大幅な遷延が生じることがあります。
現在、私はJBC認定のプロボクシングトレーナーとしてプロボクサーのトレーニング指導やケアを担当しておりますが、試合中の怪我をしても試合後、直ちに適切な処置を行えば驚くほど短期間で傷が癒えます。
セコンドとして試合中から選手のカットした傷口の診察、ケアも行いますが、試合後の正しいケアはプロボクサーとしての大きく選手生命に影響を及ぼします。特に世界レベルの選手はわずかな傷のケアのミスで選手生命が終わることもあり得るのです。
真皮に至る完全なる切創の治癒には3カ月程度では不可能です。
3か月ほどで次の試合を控えたプロボクサーにとって単純縫合では正しい傷のケアとは言えません。
傷のケア一つで大きく選手生命が変わってしまうことを選手、指導者、治療を担当する医師の認識が必要です。
バッティングによってカットしたプロボクサーの傷の治療例はこちら..>>
縫合創の消毒は行いませんし、直接ガーゼも当てません。アルギン酸塩被覆材で覆いその上からフイルムドレッシング材を貼ります。
顔の縫合創は原則として5日目に抜糸、その他の部位は1週間で抜糸。(通院不要の場合がほとんどです。)
入浴は受傷翌日から許可。
患部を水に触れさせてはいけないという理由はありません。
水に触れることで傷の治癒が遅れることも感染することもないのです。
傷に対して垂直方向の外力が加わるような日常生活での姿勢や運動は控え創部の安静を保たせるようにします。
縫合後の患部を怖がって全く洗浄しないと垢や汚れが付いてかえって細菌叢の繁殖になります。
出血をしていない限り入浴やシャワーでの創面の洗浄は治癒を遅延させるどころか治癒促進になります。
20年間の外科・美容外科医の経験から確信しています。
大学病院でも手術後,創部に毎日消毒したりガーゼ交換を行う 誤った治療を行う医師が存在します。
自分の身は自分で守らなくてはなりません。
こんなことをされたら傷はますます治らず痛みも増強し傷跡も汚くなってしまうのです。
勇気をもって担当医に伝えてください!
先生!消毒をするのは止めてください。ガーゼも当てないでください。
すぐに入浴させてください。・・・・・と。
医師はいつも正しい医療行為を行っているとは限らないのです。
創には消毒・ガーゼ。入浴禁止というありえない治療行為を繰り返す医師が多数存在するのです。
このように医療機関での正しいケアも大切です。
この創に消毒やガーゼは必要でしょうか?
入浴は禁止する必要があるでしょうか?
他医療機関にて腋臭症手術後 壊死を起こし 1ヶ月間毎日消毒へ通院されていた症例。
創口が閉鎖しないという理由で当院受診。
いわゆる医原性難治性潰瘍です。
繰り返された消毒とガーゼ処置により創面が閉鎖できなくなっています。
消毒も不要ですし、ガーゼも創面へ直接当ててはいけません、入浴もシャワーもすぐに可能です。
むしろ創面をシャワーで壊死物質が付かないように洗浄するべきなのです。
1か月以上もの患者さまの苦痛を誰が考えるのでしょうか?
医療機関でも傷のケアが間違えればますます傷は治らなくなってしまいます。
正しい創傷治療法を多くのスポーツ指導者ならびに学校関係者、医療従事者、お子様を持たれている保護者の方々にも広く普及することを願っております。
本誌読者の皆様には正しい傷の処置をこの誌面をご参考に実践し普及していただけますこと心より願っております。
http://www.wound-treatment.jp/next/sengen.htm
素晴らしいホームページです。
<参考文献>
水原章浩:傷の正しい治し方 PART 2 そこが知りたいラップ療法実践編 :9-23
五十嵐敦之:創傷被覆材をどう使うか、Derma.132:121-127
福田和義:色素性母斑の炭酸ガスレーザー治療にハイドロコロイドドレッシング材を併用した場合の美容皮膚科的有効性、Aesthetic Dermatology Vol.18:25~29、2008
正しい傷・やけどの治し方
大切なわが子を 誤った治療から守るために!
傷治療のプロフェッショナル 美容外科専門医からのアドバイス
日常の場では、子供達の傷・やけどに数多く遭遇することがあると思います。
私の子供の時も同様でしたが、傷にはすぐ消毒、ガーゼ、乾かしてできる限り早くかさぶたを作らせる・・・毎日、病院で消毒へ通う。という処置を強制的に行われてきました。
このような傷に対する誤った処置を医学が進んだ現在も、いろいろな場面で行われている現状が残念に思います。
私の20年の外科医・美容外科専門医としての経験からいいましても
1:傷は絶対にマキロンやキズドライ、イソジンなど消毒薬で消毒しない
2:傷にガーゼを当てないこと
3:受傷直後は、水道水の洗浄を行い ハイドロコロイド材で覆う(ハイドロコロイド剤がない場合は、食品用サランラップで覆うだけでOK)
といった応急処置で必要十分です。
子供の傷にいきなり消毒薬を塗布されますと 強い痛みから子供が恐怖心を与えるだけでなく傷跡の治りも大変悪くなります。
消毒薬による組織障害性」とか「創傷治癒を阻害するとか」といくら説明しても、患者さんは理解してくれません。このように説明しても、患者さんにとって何がメリットであり、何がデメリットなのかがわからないからです。
湿潤療法(うるおい療法、閉鎖療法)にはさまざまなメリットがありますが、患者さんが真っ先に実感するのは「痛くないこと」です。つまり、「痛くないこと」を患者さんに自覚してもらうことが、湿潤療法(うるおい療法、閉鎖療法)の凄さを理解してもらう第一歩です。
--------------------------------------------------------------------
まず、受傷当日は患者さんもびっくりしていますから、どさくさにまぎれて「消毒なし、被覆材で密封」します。患者さんは「新しいガーゼだな」くらいにしか思わないはずです。
勝負は翌日です。次の日に外来に来たら、「昨日は痛かった?」と聞いてください。ほぼ間違いなく、「痛くなかった」という答えが返ってくるはずです。この「痛くなかった」を足がかりに、治療法を説明します。
--------------------------------------------------------------------
「痛くないの、不思議でしょう? なぜ痛くないか、その理由、知りたい?」と誘導します。そこで興味を持ってくれそうだったら、
「痛くなかったのは消毒をせず、空気に触れないようにしたからなんですよ。空気を遮断する最新の治療材料を使ったから 痛くなかったんですね。でも、空気に触れさせたりガーゼをあてたりすると、傷の表面にカサブタができますよね。しかも痛いだけじゃなくって、傷の治りも悪くなっていたのです」。
そして、追い討ちをかけるように、
「消毒すると、傷にしみるでしょう? 痛かったでしょう? あれは傷口を痛めつけていたから痛かったの。しかも消毒すると、キズが治るのが遅くなるのですよ。痛くて治らない方が良かったら消毒するけど、どうしますか?」
これは本当のことです。傷に消毒をする医師は、傷に対する正しい知識やケアが欠如しているのですね。
--------------------------------------------------------------------
そして手の外傷の患者さんだったら「一日手を洗っていないから、気持ち悪いんじゃないですか? 実は、洗ってもいいのです。傷を濡らしちゃいけない、というのはどうも、日本だけのようです。外国では洗うのが普通なん