スポーツコラム
スポーツ診療、アスリートケア、サポートを行う社会的意義
さかえクリニックでは6年前から本格的にアスリートのケア、支援を行ってきました。
青戸慎司という一人の元五輪代表選手の出会いから私どもの活動はスタートしました。
美容外科医がなぜ、スポーツ診療を行うの?整形外科も診療しているの?とよく尋ねられます。
これは日本におけるスポーツの現状、アスリートケアに専門医のケアがほとんど無い現状を表すご質問です。
整形外科=スポーツドクター というイメージを多くの方々は持っています。
スポーツドクターはアスリートの怪我や故障を治療する業務が主で決して彼らのトレーナーではありません。
故障は治しても身体能力向上や早期復活のケアプログラムを組むわけでもありません。
故障を未然に防ぐ指導や選手寿命を伸ばす指導を行っているわけでもありません。
私は、スポーツドクターでもコミッションドクターでもありません。
メディカルトレーナーなのです。
選手が何を必要としているか本当に理解されている専門医は少ないように思えます。
1:故障の早期回復
2:選手寿命の延長
3:身体能力向上
4:トレーニング環境、セカンドキャリアの不安
5:現役中の経済的状況
彼らが常に思っている点です。
私は、青戸氏と幾度と無く日本のスポーツの遅れた現状を話し合いました。
青戸氏以外のほとんど全ての競技のアスリート達と彼らの現状や真の思いを一緒に考えてきたのです。
3度、日本代表として五輪へ出場した青戸氏は厳しい環境化の中、現役を続行中です。
彼ほどの経歴、実績、才能、指導力のアスリートであれば経済的にも恵まれもっと、もっと活躍する場があってもよいのではないでしょうか?
現状の業務の良し悪しでなく、彼の才能や実績をもっと評価すれば日本のスポーツ界にとっても大きな力になるのではないでしょうか。
私のアスリートへの思いは、陸上部創立という結果になりました。
他の社会人チームは企業名のPR活動を主としていますので成績が全てです。
怪我でもして競技に出場不能になった場合は、即 解雇、引退の道が待っています。
こういった故障したアスリートこそ手厚いケアやサポートが必要なのではないでしょうか。
アスリートは物ではありません。
心の通った人生を賭けてスポーツに全てを奉げる 一人の人間なのです。
私は、企業の姿勢に疑問を持ち他の企業とはまったく逆の考えで 能力が衰え企業を解雇され引退の危機にあるアスリート、故障して復活を希望するアスリートを主に、さかえクリニックトラッククラブ(陸上部)に招き入れました。
2006年 国体 愛知県陸上代表総監督 北村肇先生や青戸氏、栄徳高校陸上部監督 森浦先生たちのお力をお借りして日本有数のトップチームを創り上げることができました。
多くのトッププロアスリートも一部のプロ野球選手を除いては悲惨な生活レベルです。
ずっとスポーツオンリーで学校生活、日常生活の大半を費やしてきた彼らにはスポーツ以外で生計を立てるすべが本当に少ないのです。
時給800円でガソリンスタンドのバイトで生計を立てる世界ランカーで東洋太平洋チャンピオン。
年収 100万円台でぎりぎりの生活で競技を継続するオリンピック日本代表。
プロ野球選手ですら平均引退年齢は 何と!26歳なのです。
人生これからの時にプロ野球選手の多くは人生を賭けてきた仕事から追われてしまうのです。
皆さん、この現状を知っていましたか?
私達の活動を快く思わない アマチュア関係者や指導者もいます。
アマチュア選手の支援も売名行為と見なす方々もいます。
実際、そのように取られたケースがあったのです。
アマチュア選手の支援を行っても私達にとってPRにはなりません。
こういった方々にとってアスリートをボランティアで指導、支援する私達は快く思われていないようです。
こういった方々は、アスリートに取り巻き自分達の利益確保に躍起になっているのです。 利益を得るのはアスリートでなく周囲といった状況は避けるべきです。
本当にスポーツを愛し、アスリートを思い、スポーツ界の発展を思っておられるスポーツドクター、関係者が増えることを望んでおります。
日本のスポーツ界を変えるまで私達の活動と診療は続きます。
是非、私たちの活動や診療にご賛同いただけます企業や医師の諸先生方にはご協力、ご指導いただけます点、この場を借りてお願い申し上げます。
疲労回復に向けた最先端スポーツ医学の実際
疲労回復に向けた最先端スポーツ医学の実際
アンチエイジング・トレーニングって?
●筋肉疲労だけでなく、内臓疲労や神経疲労にも対応する必要がある
当院では以下の治療システムをアスリートのケア、トレーニングに導入してアスリートの疲労回復、コンディショニングを行っています。
医師がディレクターとなり、鍼灸師、アロマセラピスト、フィジカルトレーナー、ピラティスインストラクターが各トレーニングやセラピーを担当して効率よく疲労回復を図ります。
1:高気圧酸素療法
2:エアナジー
3:ヒーリング
4:パワープレートによるバイブレーショントレーニング
5:ピラティス
6:バイオフィードバックトレーニング
7:ヒーリングコクーン
8:血液分析
9:心拍変動解析による自律神経機能測定
10:アロマセラピー
11:鍼灸、マッサージ、カイロプラクティック
12:EMS
13:星状神経節への半導体レーザー照射
14:サプリメント
当クリニックでは、アンチエイジング診療を国内で先駆けてスポーツ分野へ導入しこれまで数多くのトップアスリートのトレーニング指導、ケア、コンディショニングを担当してきました。
加齢と伴に競技パフォーマンスの低下のみならず疲労回復の遅延を多くのアスリートが実感し、この対策により競技パフォーマンスの維持を試みています。
従来の考えでは乳酸値との関連の論文や学術研究が数多く発表されていますが、実際のアスリートの疲労回復をサポートするには不十分であると考えています。
疲労は筋肉疲労のみでなく内臓疲労、神経疲労も考慮に入れなければなりません。
特に緊張する試合が続いたりハードなトレーニングが続いた場合は、筋肉の疲労だけを考慮した疲労回復ケアを行ってもアスリート達は満足しないことがあります。
内臓や筋肉の運動を制御する神経の疲労も十分考慮に入れる必要があるのです。特に自律神経機能を定量評価することで大きな疲労回復の基準を手に入れることができます。
POMS検査、DIPCA3検査、TSMI検査のような心理テストを利用してスポーツ心理学やアスリートの心のケアを行っていた指導者も見受けられますが、成果はいかがでしょうか。
科学はEBMの確立と伴にデータが要求されます。
現場の指導者の直感や乳酸値のみに頼る疲労回復の指導は今後、大きく変化すると確信しています。
今回は、血液機能分析、自律神経機能計測システム(心拍変動解析)、エアナジー、バイブレーショントレーニングに絞ってクリニックでの疲労回復システム導入実績を解説します。
クリニックでは従来の疲労の検査に加え、血液機能分析、自律神経機能検査でアスリートの疲労度を解析します。
欧米ではこのシステムを利用して身体機能診断を具体的に評価し、栄養指導、サプリメント摂取指導、治療を行っています。
当院でも国内で最初にこのシステムを導入してアスリートの疲労を科学的に評価しています。
1:血液機能分析
当クリニックでは、ブラッドフォード末梢血液評価法を採用しオリンパスの高解像度顕微鏡に画像キャプチャリングシステムを接続して血液像を容易にモニターで分析できるようにシステム構築を行っています。
高解像度顕微鏡システムによる (1)Live Blood Analysis (2) Coagulation Blood Assessment により血液像を血液機能評価シートに従って評価します。
被験者小指の先端より血液をスライドガラスに(1)生きた血液 Live Bloodと(2)凝固した血液 Coagulation Bloodを採取します。
採取した標本を暗視野、明視野、位相差で観察します。
(1) Live Blood Analysisからは、赤血球、白血球、血小板、プラーク、リンパ球、血漿中の成分、真菌、バクテリア、寄生虫などリアルタイムに画像を評価します。赤血球の形状でアスリートのオーバーワークの状態を容易に把握可能です。
生きた血液を分析することで細胞の栄養状態、免疫機能、代謝の状態を把握することができます。
(2) Coagulation Assessmentからは、身体における各部位の酸化状態、つまり活性酸素の発生状況を把握します。この場合、明視野で観察します。体内の活性酸素(ROS)をはじめ、様々な病気の原因となる因子が血液凝固因子にまず影響を与えているのがわかります。凝固パターンを観察することにより体内の活性酸素発生状況が把握できます。栄養状態、ミネラルバランスも評価可能です。ストレスによる影響を捉えることが可能です。
ビジュアルでリアルタイムにアスリートの身体情報を獲得できるこのシステムにより的確にアスリートの栄養指導、ミネラル摂取、必要サプリメント指導、オーバーワークの指摘が可能となりました。
現在、国内ではアスリートを対象とした検査は当院のみしか実施されていませんが、今後多くの医療機関で普及すると考えています。
2:自律神経機能検査
自律神経機能を定量評価するために、心拍変動解析システムを使用しています。呼吸法のバイオフィードバックトレーニングにも利用しています。もともとはロシアの科学者が開発して宇宙開発に使用されたシステムであり、ロシア崩壊後、米国に渡ったロシア人科学者が立ち上げた、ベンチャー企業のBiocom社と、技術・臨床研究の提携をして、最先端のシステムを臨床的に開発しています。「ハートリズムスキャナー」「インナーバランススキャナー」「ハートトラッカー」のシステムで、RSAによって自律神経の機能レベルを調べます。
過剰なストレスがかかるトップアスリートほど、自律神経機能は特に重要です。トップアスリートはパワーアップなどフィジカル面の向上を図るだけでは勝てません。筋肉や自分の身体をコントロールする自律神経機能を向上させることが、1cm、0.01秒の差となってパフォーマンスに表れるのです。
レーサーにとって自律神経機能はレースを成立させるために重要な能力であるのです。ウエイトトレーニング以上に自律神経機能トレーニングは重要です。
フォーミュラ・ニッポン レーシングドライバー松田次生選手の場合は、ケア当初、不眠、口内炎、胃腸の不調を訴え、副交感神経機能の低下が疑われる症状がありました。
心拍変動解析システム インナーバランススキャナー検査の結果、交感神経に比べ、副交感神経が著しく低下していることが確認されました。この状態を改善するために、エアナジー、アロマテラピーを用いてケアを行うと同時に呼吸法もトレーニングに導入。
すぐに副交感神経機能が向上した検査結果が得られ、口内炎や不眠も改善、精神的にも安定した状態でレースに臨むことができるようになりました。神経疲労が短期に回復し2006年 フォーミュラニッポン 総合ランキング2位(日本人1位)の原動力になったのではないでしょうか。
自律神経機能の重要性を説くトレーナーや医師はこれまでにもいましたが、検査システムの存在が認知されていないのが日本のスポーツ界の現状です。
これらの検査でアスリートの身体情報を得て具体的なケアとして(1)エアナジー(2)パワープレート を行います。
(1) エアナジー
エアナジー)は活性酸素を除去し、酸素の利用効率を高めて、疲労回復、細胞の機能賦活を促す機器です。アロマボトルもユニット内に装着できるためエッセンシャルオイルの吸入も可能となり同時に、アロマセラピーを行い競技前の緊張を緩和する効果も期待できます。ドイツ製で、02年ソルトレークシティー冬季オリンピックの際に利用し、ドイツ代表選手が銀メダルを獲得に貢献しました。初めて私が国内へ導入、04年アテネ・オリンピックにも私が総監督を務めるさかえクリニックトラッククラブのアスリートに対して現地へ持ち込みました。また、ボブスレー日本代表もエアナジーをワールドカップ転戦中に使用。現在は、ショートトラック 寺尾悟選手、NASCAR レーシングドライバー 古賀琢磨選手、陸上短距離 青戸慎司選手、多くのプロ野球選手、プロボクサーの疲労回復、身体能力向上などケアに活用。WBA世界SF王者 名城信男選手もタイトルマッチ前に使用しました。
活性酸素とは、免疫機能においても重要な働きを担っておりますが、必要以上に発生して過剰になると、あらゆる病気、老化を引き起こし 人体を酸化させる大きな原因となります。現在、病気の約9割は活性酸素が原因と考えられています。私たちの身体は、最低でも1日に350リットルの酸素を必要とします。多量に酸素を消費するトップアスリートは、活性酸素対策を行う必要があると考えられます。
チャンバー内の酸素に特殊な紫外線を照射し、一重項状態(反応が高い状態)にし、瞬間的(100万分の2秒間)に発生したエネルギーをチャンバー内の水分子に取り込み、それを鼻孔から吸引して身体に取り込むことで、不安定な活性酸素と直接結びつき、安定させ無害な物質に変化して、活性酸素を減少させる、というのがエアナジーのメカニズムです。一重項状態の酸素が数秒で肺胞から血流に流れ出るため、消化吸収の長い過程を要するサプリメントに比べて格段に早く組織に作用することができます。短時間で作用するので、活性酸素による痛みなどを伴う疾患に悩まされているアスリートには最適なシステムだといえます。わずか15分間吸引するだけの治療です。
活性酸素の除去により、ミトコンドリアの活性が高まり、酸素の利用効率が上がることから、乳酸の低下にも働きます。
(2) パワープレート
ストレングス、マッサージ、リラクゼーション、ストレッチが同時に出来る振動トレーニングシステムです。
振動トレーニングはロシアの宇宙開発プログラムにも採用されています。現在ではNASAの宇宙飛行士トレーニングプログラムに採用されています。
当クリニックではメーカーとの共同研究がスタートしてアスリートへのトレーニング効果、アンチエイジング効果を科学的に解析し、実践へ役立つプログラムの開発、インストラクターの養成を行います。
振動は3次元で周波数、時間、振幅が設定可能で、各ポジショニングにより短時間でインナーマッスルの強化も可能となりました。
パワープレートは緊張性振動反射と呼ばれる特殊な伸展反射を継続的に誘発します。
振動が従来のウエイトトレーニングで強化が困難な棘筋や骨盤筋群の強化を可能とし、マッサージ効果も同時に得られます。振動により血液循環の改善により早期に疲労物質の消失が期待出来ます。また、ストレッチ効果が大きく筋膜の緊張を弛緩させ、自律神経へ適度な刺激を与えることでリラックス効果も期待出来ます。
ウエイトトレーニングと異なり加速係数を変えることで靭帯や筋骨格系への負担がはるかに軽減されました。
研究により明確になった点は以下の通りです。
・トレーニング時間の短縮
・神経系への強い刺激
・血行の改善
・骨ミネラル密度の増加
・疼痛緩和
・テストステロン、成長ホルモン、セロトニンなど主要ホルモンの増加
・コルチゾール(ストレスホルモン)の減少
・マッサージ効果
ただし、効果的で正しいトレーニングを行うためには専門インストラクターの指導が必要です。正しいポジショニングが安全で効率よいトレーニング効果を生みます。
クリニックでは、通常時のトレーニングに導入するのみでなくトレーニング後のクーリングダウン、故障時のリハビリ、マッサージにも使用します。
これらのシステムを効果的に専門医やインストラクター、セラピストが活用することでアスリートの疲労回復に努め競技パフォーマンス向上をサポートします。クリニックでは、アスリートの競技特性や身体能力を考慮して多角的にケアを行っています。私達はこれらのシステムをトータルアンチエイジングシステムと呼んでいます。アンチエイジイングトレーニングは疲労回復も含めまして今後もより一層、注目される分野です。
パワープレートにおける振動の物理学的特性
バイブレーショントレーニングを理解するには、振動が重力に与える影響、重力が身体に与える影響、そして重力と振動が身体に与える累積的影響を理解することが必須です。
身体にかかる重力Fgは、質量mに比例します。
FG = m × g
FG = 単位ニュートン(N)で示される重力
m = 単位キログラム(kg)で示される物体の質量
g = 重力による加速(標準で~10m/s2)*
*g = 9.80m/s2、この例では簡潔にするため端数を切り捨て
例えば、ウエイトトレーニングで考えてみると、体重70kgの人がスクワットを行うと、この人には、
FG = 70kg × 10m/s2で、700Nの重力がかかります。
同じ人が100kgのウエイトを持って同じエクササイズをすると、この人にかかる重力は次のように変化します。
FG = (70kg + 100kg) × 1Om/s2 = 170kg × 10m/s2 = 1700N
つまり、ウエイト(負荷)が増すと、身体に与える重力が増えます。身体にかかる重力が増すと、その増加分を身体は強度を高めて調整します(これがウェイト・トレーニングの原理でもある)。
バイブレーショントレーニングは、身体にかかる重力を操作するという点は共通していますが、負荷の代わりに加速度(g)によってFGを変化させます。物体や人問が短時間で速度を変えると、身体にかかる重力が変化します。例えば、エレベーターに乗っているときに、増減速時に身体が重くなったり軽くなったりした経験があると思いますが、作用としてはそれと同じことです。
パワープレートは、プラットフォームが垂直方向に素早く小刻みに変化します。この動きが加速度(a)を高めるため、身体にかかる重力も急増します。
FG = m × a*
FG = 単位ニュートン(N)で示される重力
m = 単位キログラム(kg)で示される物体の質量
a = 単位m/s2で示される加速度
*重力によって生じる加速度は、パワープレートによって加速度に変換
体重70kgの人が、振動していないパワープレートの上に立ったときは、本来の重力です。
FG = 70kg × 10m/s2 = 700NFz = m × a
しかし、プラットフォームに40Hz/Highの周波数を作動させると、0.005mの振幅を生成し、この人物に加速度の増加による重力がかかります。
加速度の計算には、以下の式を使います。
a = V / t
a = 加速度
V = 単位m/sで示す速度
t = 単位秒で示す時間、の場合、
40Hzとは1秒間に40回振動することであり、振動1回で動くプレートの距離は合計0.02m分です。
したがって、a = 59.10m/s2(表を参照)
この数値を式に当てはめると以下の通りです。
FG = m × a
= 70kg × 59.10m/s2 = 4137N
通常のウエイトトレーニングでは、自重では700N、100kgのバーベルでは1700Nであるのに対し、バイブレーショントレーニングは、重力による影響が非常に大きく、短期間でトレーニングの成果が期待できます。
<表>パワープレートの加速
ベルギーのCatholic University Leuvenで実施された二重盲式研究プロジェクトで、加速時計を使用して測定したPower P1ateの加速度(23)。下表からわかるように、振動の振幅や周波数が上がると加速度(a)も増し、重力の影響も高まっています。
| 振幅(mm) | 周波数(Hz) | 重力 | 加速度(m/s2) |
| Low(2~4mm) | 30 | 1.80 | 18.00 |
| 35 | 2.28 | 22.80 | |
| 40 | 2.71 | 27.10 | |
| 45 | 3.41 | 34.10 |
| 振幅(mm) | 周波数(Hz) | 重力 | 加速度(m/s2) |
| High(4~6mm) | 30 | 3.10 | 31.00 |
| 35 | 3.91 | 39.10 | |
| 40 | 5.91 | 59.10 | |
| 50 | 6.24 | 62.40 |
従来のウエイトトレーニング以上に効率よくリハビリ、ストレングスに応用可能と考えております。バイブレーショントレーニングの出現でトレーニングの概念が大きく変わると考えます。
身体能力を高めるスライディングエクササイズの実際
股関節&骨盤の強化と矯正
世界王者・名城信男選手が実施する
身体能力を高めるスライディングエクササイズの実際
<仲田健(さかえクリニック スポーツ診療部チーフトレーナー)>
1969年6月8日生まれ。京都府出身。立命館大学経済学部卒業。
これまでに数多くのプロボクシング世界王者、東洋太平洋王者、世界ランカー、プロ野球選手、プロゴルファー、レーシングドライバー、オリンピック日本代表選手、アジア大会メダリストなどプロ、アマチュアスポーツ選手を指導してきたストレングス&コンディショニングコーチ。
立命館大学アメリカンフットボール部を1995年から学生王者・日本一に導く。
アマチュアでは陸上女子100M 6連覇を達成した 新井初佳選手 他多くの日本代表選手を指導。
現在は、プロボクサー・WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男選手(をはじめ、阪神タイガースの桧山進次郎外野手、浅井良捕手、プロゴルファー・平塚哲二選手、プロボクサーの石田順裕選手、東洋太平洋王者 小松則幸選手、FNレーシングドライバー・松田次生選手、神戸大学アメリカンフットボール部などの指導に携わっている。
さかえクリニックスポーツ診療部チーフトレーナーとして多くのトップアスリートを指導する傍ら 専門医、歯科医、鍼灸師、アスリートらとアンチエイジングエクササイズ、システム、トレーニング機器の開発、研究に努める。
さかえクリニックでは主としてアスリートのフィジカル・コンディショニングを担当、一般の方へのパーソナルトレーニング、アンチエイジングエクササイズ普及にも努める。
専門医療機関に所属し国内で唯一の医学的トレーニング、ケアの指導を行うフィジカルトレーナーでありスポーツ医学に精通する。
ほぼ全てのアスリートに対するトレーニング、エクササイズのプログラムを作成、身体能力向上エクササイズを指導できるスライディングエクササイズの日本における第一人者である。
現在、トレーニングギアメーカーとスライディングエクササイズ用具の共同研究・開発を行っている。企業との提携で自ら出演のトレーニングDVDも製作。
日本で初めて本格的にパーソナルトレーニングの普及に務め企業のCEO、女性のパーソナルトレーナーとしても活動している。
競技歴としては、中学ではバレーボール、高校・大学では陸上競技を行い、現在もチアリーディングの現役選手であり2001年世界選手権金メダリスト、2005年世界選手権銀メダリスト。鍛えぬいた身体を活かしたアスリートモデルとしても活躍中。
今年8月、名城信男選手(六島ボクシングジム)が、デビュー以来わずか8戦という日本最速で世界王者に上り詰たことは記憶に新しい。名城選手は、コンディショニング、フィジカルを担当する仲田健トレーナーの指導の下、基本エクササイズの1つとして、スライディングエクササイズを導入し、短期間で身体能力向上と肉体改造が達成したという。そこで仲田氏にエクササイズをご紹介いただいた。
スライディングエクササイズとは
●ジョイント部分を強化する
スライディングエクササイズは、床やカーペット上で足や手をスライドさせることによって、股関節や上腕肩甲関節(いわゆる肩関節)などのジョイント部分を強化するとともに、末梢あるいは体幹で発生した力を伝達する、つまり動きの連動性を高める運動です。
私達が独自に開発したオリジナルのエクササイズであり、約1年前からプロ及びアマチュアのトップアスリートに導入しています。アスリートの身体能力が短期的に向上しており、例えば、8月のタイトルマッチでWBA世界スーパーフライ級チャンピオンになった名城信男選手は、スライディングエクササイズを導入して「ヒップ周りのサイズが大きくなった」「パンチに体重が乗るようになった」「バランス感覚が向上した」「ラウンドの後半になっても重心を低くキープできるようになった」「持久力も上がってきた」などと話しており、その効果を実感しています。名城選手のほかにも、このエクササイズを導入した桜井有希選手(京都学園高校3年)が7月にアマチュアゴルフの世界ジュニア選手権で3位に入り、プロゴルファー・平塚哲二選手は、10月16日現在で国内賞金ランキング2位に付けるなど、目覚ましい競技成績を上げています。
短期間で身体能力向上が多くのアスリート達にとって実感できるようです。
アスリートたちは、このエクササイズを日常行うトレーニングの1つとして、また試合前のウォームアップとして行っています。トレーニングとしてはトレーニング期には毎回20~30種目、シーズン中の維持期には5~10種目を、1種目につき反復回数5~10回で行います。試合前のウォームアップでは、関節の安定化、可動域の向上が目的であるので、2~3種目に減らしたり、反復回数を2~3回と少なくしたりします。名城選手はこのエクササイズをかなり気に入ったようで、2006年7月に大阪で開催された世界タイトルマッチのときには、このエクササイズをウォームアップとして行ってからリングに上っていました。
現在、床やカーペットの上でこのエクササイズを効率よく実施するための専用器具を開発中ですが、今回はご紹介するエクササイズでは、市販のグライディングデスクを使用しています。要は床やカーペット上で滑ればよいので、滑りやすいソックスやストッキング、あるいはスリッパを履いて行っても構いません。
メリットと特徴
●9つのメリット
スライディングエクササイズのメリットとして、仲田健氏が共同研究するメディカルトレーナーの末武信宏先生(さかえクリニック)は、次のような内容を挙げています。
まず、
①場所をとらず手軽に実施できる、
②器具の持ち運びが簡単、
③さまざまなパターンの動きに対応可能、
④実際のアスリートの動きに適合している
といったメリットがあります。特に④に関して、このエクササイズは、負荷が一定でなく、自分の身体の動きによってあらゆる方向から負荷がかかるため、一定の負荷を一定の方向にかけるこれまでのウェイト・トレーニングとは違い、わずかな動きでも表層筋群と深層筋群との両方を同時に鍛えることが可能です。
また、
⑤ストレッチ効果も期待できる、
⑥バランス感覚の向上が図れる、
⑦1つの動作に多くの筋肉の連動が必要になり、短時間でトレーニング効果が得られる、
⑧負荷を自由に即座に変更できる、
⑨スライディング運動の体感及び習得がスピードアップにつながる、
と考えられます。⑨に関して、例えばボクシングでは、開脚をスピーディーに行わなければなりませんが、このエクササイズで「開脚後戻り」の動作に負荷をかけることによって、その動作スピードを効率よく向上させることできます。また、主動筋・拮抗筋のバランスを向上させることにもなります。
●オールアウトが可能にするトレーニングフォーム
エクササイズの特徴は、負荷の豊富さです。メリットの⑧でも触れたように自由に負荷を変更できるため、やり方によっては瞬発力だけでなく、筋持久力のトレーニングにもなります。身体そのものが負荷になるため、実感を伴った形でトレーニングでき、短時間でオールアウトを得ることができるからです。ただし、トレーニングフォームが安定しないとオールアウトは得られません。しかしこの点が、バランス感覚を向上させ、スピーディーな動きに対応できる身体づくりのトレーニングにもなります。なお、トレーニングフォームにおいて大切な点は、関節可動域を最大限に使用することです。スライディングエクササイズでは関節可動域を広げることが容易にできます。従来のウェイト・トレーニングとは異なるフルストレッチ・フルコントラクションが可能になりました。
●股関節バージョンを紹介
スライディングエクササイズには、股関節バーション、肩甲骨バージョン、体幹バージョンがありますが、今回は、股関節バージョンを紹介します。股関節は下肢と体幹とをつなぐジョイント部分です。特に、投げる動作・打つ動作といった動きでは、下肢で生じた力を上肢に伝えていく連動性のキーになるのが、股関節だと思います。股関節バージョンだけでも100種類近くありますが、ここでは誌面の都合上、基本的なエクササイズのみを掲載します。片足パターン、両足パターン、回旋パターンの順にレベルがあがります。またスライディングする距離が長いと負荷が高まります。自分でコントロールしながら行ってください。
スライディングエクササイズは1人でできるPNF
末武信宏(さかえクリニック院長)
●回旋を伴う運動パターンで行う
私は医師、メディカルトレーナーの立場から、スライディングエクササイズは1人でできるPNF(Proprioceptive Neuromuscular Facilitation :固有受容性神経筋促通法)であると考えています。つまり、運動系の神経の動きを促進させる方法であり、ウォームアップのみならず、パフォーマンスの向上、スポーツ障害の治療と予防、コンディショニングへも応用できる手技であるといえます。
その特徴は「PNFパターン」と呼ばれる回旋を伴う独特の運動パターンを用いる点です。PNFでは「対角・らせん」という人間本来の動きを重要視しており、これが柔軟性の著しく向上させることから、PNFテクニックがスポーツ界において広く採用されています。スライディングエクササイズは、この運動パターンを採用しており、ウェイト・トレーニングでは鍛えられないインナーマッスルを効果的に鍛えることができます。
また、スライディングエクササイズでは、関節可動域の向上を可能にします。スポーツでは、動的可動域(ある程度スピードを保った動きのあるなかでの可動域)、能動的可動域(自分で起こす動作の範囲)が求められますが、これらの関節可動域の向上に関係する、
①血液量を増加させて筋・関節の結合組織の弾力性を増すこと、
②筋肉の緊張をほぐすこと、
③動作に関与する筋群の協調性の向上を図ること
が、スライディングエクササイズによってもたらされるからです。
さらに、ストレッチング効果も期待できます。
ストレッチングは、
①筋肉の緊張を和らげてリラックスさせる、
②関節可動範囲を大きくする、]
③主働筋と拮抗筋による筋活動がスムーズに遂行される、
④神経-筋の働きをスムーズにして反応時間を短くする、
⑤筋肉-知覚神経の働きがスムーズとなり、体性感覚が向上する、
⑥筋収縮により循環血液量が増加し、筋ポンプ作用により血流循環がよくなる、
⑦身体運動時の筋・腱・靱帯などの障害を予防する、
⑧筋収縮の活用により筋緊張の調節ができ、心身のリフレッシュメントなどに有効である、
といった目的で行われますが、スライディングエクササイズによっても同じような状態がもたらされます。
つまり、スライディングエクササイズは、筋力トレーニングの準備や、筋疲労の積極的回復のための手段として有効であり、まさしく1人で行えるPNFであると私は考えます。
トップアスリートのための身体再生ピラティス
自律神経機能を高める
トップアスリートのための身体再生ピラティス
自律神経機能とピラティス
●アスリートは交感神経が常に優位
自律神経は、人が環境に適応して生きるために不可欠な働きをコントロールしている神経であり、運動神経が筋肉を随意に(自分で意識して)働かせるのに対して、内臓諸機能を不随意に(自分で意識しないで)調節しています。
自律神経には交感神経系と副交感系に2つの系路があり、この神経が支配している器官にはりめぐらされて、神経伝達物質のアドレナリン及びノルアドレナリン、アセチルコリンの作用によってさまざまな働きをコントロールしています。
例えば、スポーツパフォーマンスを発揮する際に、あるいはトレーニングを行う際には、アドレナリンが分泌されて交感神経が優位に働くことによって、血圧や心拍数を上げ、胃腸・腎臓などの内臓や皮膚への血液量を減らし、筋肉により血液を供給できるようにしています。気管を拡張して酸素の取り込みを促しており、肝臓や脂肪細胞の代謝機能を高めてエネルギーの発生を促しています。
また、入浴後や睡眠中などのリラックスした状態では、アセチルコリンが分泌されて副交感神経が優位になる働くことによって、血圧や心拍数を下げ、内臓の血液の供給を増やし、消化器官の運動を高めています。スポーツやトレーニングで消耗した身体を回復させたり、エネルギーの蓄積を促したりしているのです。
しかし、スポーツ選手は過剰なストレスの下におかれることが多いため、交感神経が常に優位の状態にあり、その一方で、交感神経と相反する副交感神経が優位になる状態が少ないといえます。試合が続く、トレーニングが過剰になるなど、心身に過剰なストレスがかかった状態が長く続くと、自律神経機能が低下(特に副交感神経の低下)してしまいます。すると疲労回復ができず、パフォーマンスが向上しなくなります。
ところがパフォーマンスが向上しない、あるいは低下しはじめると、多くのアスリートはトレーニングが不足していると思って、さらにハードなトレーニングを積んでしまいがちです。そうなると交感神経の優位な状態がさらに続き、副交感神経の働きが低下して、パフォーマンスはさらに低下するという、負のスパイラルに陥ってしまいます。
緊張の中でリラックスできる能力こそアスリートにとって安定したパフォーマンスを発揮できる重要な能力であることは周知のことです。
多くのアスリートに必要なのは、ハードな過剰トレーニングをやめて交感神経が過剰に優位になっている状態をなくすことであり、副交感神経の機能を回復させる(自律神経機能を高める)ことなのです。そのような取り組みによってパフォーマンスは確実に上がります。実際にプロ野球選手、プロゴルファー、レーシングドライバー、プロボクシング世界チャンピオン、五輪日本代表選手といった多くのトップアスリートが成果を上げています。さかえクリニックの末武院長に教えていただきました、自律神経機能に着目したメディカルトレーニングの考え方をベースにして科学的根拠を基に現在ピラティスの指導を行っています。
専門医とフィジカルトレーナーが開発した新しい身体能力向上エクササイズです。
●5秒吸って5秒吐くタイミングで
自律神経機能を高める方法の1つは呼吸法です。5秒吸って5秒吐くという、1分間に6回のゆっくりとしたペースで呼吸することによって、自律神経機能をトレーニングすることができます(詳細は2006年2月号特集参照)。医学的にこのリズムが最も自律神経機能向上ができると実証されています。これまでのピラティスは科学的に効果を定量評価して行われていませんが、私どもが国内で始めて、心拍変動解析システムを使用してピラティス本来の目的を明確にしました。体幹を鍛えることはインナーマッスルを鍛えるのみならず自律神経機能を向上も同時に行うことなのです。
一般の方を対象にしたピラティス教室では、最初に呼吸法を行いますが、リラクゼーションができるように開発された音楽に乗せて「5秒吐いて、5秒吸う」を繰り返していると、ときどき寝てしまう人が出てきます。一般の人は力を抜くことが難しいのですが、寝てしまうというのはそれだけ力が抜けてリラックスしているということなので、それはとてもよいことだと言っています。
この呼吸法をするだけで副交感神経の機能が高まってリラックスができるため、この呼吸法を覚えるだけでもアスリートにはかなり有効だと思いますが、呼吸法とともにピラティスを行うと、交感神経の機能も高まりますので、交感神経と副交感神経とのバランスがとられることによって、力まずに体幹のインナーマッスルを使うことができます。その状態でピラティスを行うと通常のやり方よりもより体幹が鍛えられるのではないかと考えています。
スポーツにおいても交感神経と副交感神経のバランスは非常に重要であり、例えばマラソンは時間も距離も長い競技ですが、交感神経を過剰に優位のまま力んで走っていたのでは、とても身体はもちません。交感神経と副交感神経のバランスを取りながら、適度にリラックスして走ることが大切であり、実際に高橋尚子選手などは力まず適度にリラックスして走ってよい結果を収めています。このようにこの呼吸法でピラティスを行うことは、パフォーマンス発揮時のよりよい身体状態を習得する上においても有効だと思います。
阪神の藤田太陽投手にピラティスやピラティスの考えに基づいたストレッチングを、昨年12月から指導していますが、ピラティスを導入して、ボディバランスが高まり、ピッチングの安定感が高まったと話しています。先日(7月24日)も1時間のレッスンを行い、翌日の対中日戦で中継ぎとして登場した際に、2回を無安打無失点 3三振で抑えるという素晴らしいピッチングで観客を魅せました。このときは一般的なピラティスとともに、ピラティスの考えに基づいて私が考案した股関節を緩めるピラティスストレッチングを導入しています。
野球選手には、股関節の軸がぶれないようにすることを重視してやっていますが、初めて導入したこのピラティスストレッチングはとてもよかったようで、股関節周りのつまりがなくなり、ボディバランスがとれて、しっかり投げることができたと言っています。
●両方のパターンでできるように
呼吸法を取り入れたピラティスを指導する際には、ゆっくり吸ってゆっくり吐くように言っています。5秒・5秒のタイミングを特に意識させていませんが、その分、トレーナーがそのペースになるように「吸って」「吐いて」と言って誘導しています。
ゆっくりのペースで吐きながら動きますが、初級と上級では呼吸の仕方を逆にすることもあります。例えば、吸いながら身体を起こして吐きながら戻していたのを、吐きながら身体を起こして吸いながら戻すとかというように、です。最初は一番やりやすいパターンから始めますが、呼吸は必ず吸いながら必ず身体を起こしなさいというのではなく、上級になると両方のパターンができるようにしていきます。
ピラティスに呼吸法を取り入れてちょうど1年になりますが、身体の硬かった部分に可動性が生まれ、使えなかった体幹が使えるようになるなど、競技エアロを行っている私の身体にもいろいろな変化が現れています。こうした効果を自分の身体で実感したことから、アスリートや一般の方の指導にも取り入れ始めたのですが、いろいろな方に指導しているなかで、まだまだ奥深い効果がありそうだということを感じています。さらなる効果を期待して続けていきたいと思っています。
■呼吸法の基本
ポジション
あぐらの座位で基本となる呼吸法を行います
行い方 5秒吸って5秒吐くというペースで呼吸します。鼻から息を吸い、口から息を吐きます。息を吸うときには胸式を基本とし、胸のほうに空気を入れていきます。息を吐くときは骨盤底筋を下から上に引き上げるイメージで行います。肋骨に手を当てて、肋骨の動き(吸う=広がる、吐く=狭まる)を感じながら行いましょう。
ポイント
パンツのファスナーを上げていくときのように、下から上に引き上げるようなイメージで息を吐いていくと、下腹部が締まって骨盤が安定します。さらに少しお腹を少し引っ込めるようにしながら息を吐いていくと、より骨盤が安定し下腹部が働いて、腹横筋がぐっと締まる感覚がわかると思います。5秒吸って5秒吐くという呼吸のペースをつかむ際には、時計の秒針を見ながら、あるいはメトロノームの音を聞きながら行うとよいでしょう。
メリット
この呼吸法が習得できると、腰回りに余計な脂肪が付きにくくなり、食べても太りにくい体質になります。個人差がありますが、骨盤底筋群が意識できるよう呼吸法ができるようになって1年くらいすると、その効果を実感できると思います。
■骨盤のニュートラルポジション&コントロール
ポジション
あお向けになって膝を立てた姿勢で行います。
エクササイズ
骨盤のニュートラルなポジションを探し、骨盤の動きを出して、骨盤のコントロールを練習するエクササイズです。まず、腰を押しつけるようにしてウェストを床につけます。このとき背中と床の間には空間がありません。次に、お腹を突き出します。このとき背中と床との間には空間ができます。その中間が骨盤のニュートラルなポジションになります。次に、ニュートラルなポジションから、骨盤を傾けて骨盤の動きを出します。骨盤を傾けたり戻したりします。
ポイント
骨盤の動きを出すときには、肋骨が床に触れている状態から、腰の骨を下に少し沈ませるようにしながら、骨盤を傾けていきます。少し骨盤を傾ける程度とし、床にウェストをべったりつけるところまでは行いません。5秒吸って5秒吐くという呼吸をしながら行います。息を吐きながら骨盤を傾けていき、息をゆっくり吸ったのち、息を吐きながら骨盤を戻していきます
■ロールバック
ポジション
膝を立てた座位で行います。
エクササイズ
腹筋を使いながら腰の骨を動かすエクササイズです。腕を前方に伸ばしたまま、お腹を引っ込めつつ、上体を後ろに倒していきます。45度くらいまで倒したら上体を元の位置に戻していきます。
ポイント
腰椎を1個ずつ動かすようにして行います(腰椎の関節を1つずつ開いていくように)。5秒吸って5秒吐くという呼吸をしながら行います。息をゆっくり吐きながら上体を後ろに倒していき、45度まで倒したところで息をゆっくり吸い、息をゆっくり吐きながら上体を元の位置に戻していきます。4セット行います。アドバンスでは息を吸いながら上体を後ろに倒し、吸いながら戻していきます。
■スパインツイスト
ポジション
あぐらの座位で行います。
エクササイズ
腹筋を使いながら上体をひねるエクササイズです。腕を横に伸ばしたまま、お腹を引っ込めつつ、上体を横にひねっていきます。捻りきったところで、上体を元の位置に戻していきます。元に戻したら反対側へ上体をひねっていきます。
ポイント
腰椎を1個ずつ動かすようにして行います。5秒吸って5秒吐くという呼吸をしながら行います。息をゆっくり吐きながら上体をひねっていき、ひねりきったところで息をゆっくり吸います。次に息をゆっくり吐きながら上体を元の位置に戻していきます。4セット行います。アドバンスでは息を吸いながら上体をひねり、吸いながら戻していきます。
■レッグエクステンション
ポジション
うつぶせになり脚を肩幅よりも広めに開いた状態で行います。
エクササイズ
臀筋、ハムストリングス、内転筋群を使って、腸腰筋をストレッチするエクササイズです。遠くにつま先が引っぱられるような感じで、足先をゆっくり少し持ち上げます。ゆっくり下ろしたら反対側を行います。
ポイント
臀筋、ハムストリングス、内転筋群を使って、大腿部の付け根を引き伸ばすようにしながら足先を上げることで、腸腰筋をストレッチします。息をゆっくり吐きながら足先を上げ、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら元の位置に戻していきます。4セット行います。アドバンスでは息を吸いながら足先を上げ、吸いながら戻していきます。
■ブレストロークプレップス
ポジション
うつぶせになり脚は閉じて、腕を顔の前で組んだ状態で行います。
エクササイズ
ハムストリングスと内転筋群を使って、腸腰筋を活動させるエクササイズです。大腿部の付け根を床に押しつけるようにしながら、上体をゆっくり上げて、ゆっくり下ろします。先の腸腰筋のストレッチのエクササイズのあとに続けて行います。
ポイント
腸腰筋が固く、骨盤腸骨稜前面が床から浮いていると腰を痛めてしまいます。その場合には浮いている部分にタオルや雑誌を入れて高さを調節し、必ず骨盤腸骨稜前面を自力で床に押しつけることができる状態にして行います。息をゆっくり吐きながら上体を上げ、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら元の位置に戻していきます。4セット行います。
■ヒップロールズ
ポジション
あお向けになり膝を立てた状態から行います。
エクササイズ
背骨を順番に動かしながら腰を上げていくエクササイズです。股関節を伸ばすようにしながら腰をゆっくり上げていきます。膝から大腿部、体幹、肩までが一直線になるまで腰を上げていきます。そしてゆっくり腰を下ろしていきます。
ポイント
背骨の1つ1つを順番に動かしていく感じで行います。息をゆっくり吐きながら腰を上げてゆき、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら元の位置に戻していきます。4回行います。アドバンスでは息を吸いながら腰を上げ、吸いながら戻していきます。
■ショルダーブリッジ
ポジション
ヒップロールズと同じ状態で行います。
エクササイズ
ハムストリングスと内転筋群を使って、片足の踵の上げ下ろしをするエクササイズです。膝から大腿部、体幹、肩までが一直線になった姿勢を維持しながら、踵をゆっくり上げて、ゆっくり下ろしていきます。下腿を上げるやり方もあります。
ポイント
かなりハードなエクササイズであり、大腿四頭筋を使って姿勢を維持しようとしがちですが、ハムストリングスと内転筋を使い、大腿四頭筋はむしろストレッチしながら行います。ヒップアップ効果が期待できるエクササイズです。息をゆっくり吐きながら踵を上げ、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら元の位置に戻していきます。片足1セット3回を、3セット行います。アドバンスでは息を吸いながら踵を上げ、吸いながら戻していきます。
■アブプレップ
ポジション
あお向けになり膝を立てた状態で行います。
エクササイズ
腹筋群を使って上体を床から少し上げるエクササイズです。動き自体は非常に小さいのですがゆっくり上げていき、ゆっくり下ろしていきます。
ポイント
肋骨と骨盤を近づけるようにしながら上体を床から離していきます。息をゆっくり吐きながら上げ、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら元の位置に戻していきます。8~10回行います。アドバンスでは息を吸いながら上体を上げ、吸いながら戻していきます。
■シングルレッグストレッチ
ポジション
あお向けになり膝を立てた状態から行います。
エクササイズ
腹筋群を使って両脚を上げ、片脚は膝とつま先をしっかり伸ばし、もう片脚は膝を90度に曲げた状態(下腿は床と平行)を、交互に行うエクササイズです。ゆっくり動作を入れ替えます。
ポイント
体幹を安定させて行います。あごは引いて胸に引きつけるようにします。息をゆっくり吐きながら動かし、そこでゆっくり息を吸い、息を吐きながら動かします。8~10回行います。アドバンスでは息を吸いながら動かします。
■スタンディングリラクササイズ
ポジション
立位で親指に力を入れた状態で行います。両腕は自然な状態で垂らして体側に付けます。
エクササイズ
股関節を緩めるエクササイズです。臀筋を使い大腿部の付け根(腸腰筋)を伸ばした状態で行います。このままゆっくりと身体を真横に倒していきます。そしてゆっくり戻していきます。倒した側とは反対側の股関節のつまりが解消されます。2回行ったら、今度は、真横に倒したあとに、倒した側とは反対方向に、腰をゆっくりずらします。そして腰と身体を戻していきます。
ポイント
倒す動作も戻す動作も常に腹筋を使いながら行います。息を吐きながら身体を横に倒し、そこでゆっくり息を吸って、元に戻していきます。腰をずらすときも息を吐きながら行います。身体は真横に倒します。腹筋が緩んで、身体が前に倒れたり、後ろに反ったりしないように注意します。身体を真横に倒すだけのパターンを2回、腰をずらすパターンを2回やります。たった4回ですが軸の安定性が増します。
■スタンディングスパインツイスト
ポジション
立位で片腕を前方に上げ、片腕は腰に当てた状態で行います。
エクササイズ
これも股関節を緩めるエクササイズです。臀筋を使い大腿部の付け根(腸腰筋)を伸ばした状態で行います。腰の位置を保ったまま、ゆっくりと状態をひねっていきます。そしてゆっくり戻していきます。上体をひねった側とは反対側の股関節のつまりが解消されます。
ポイント
常に腹筋を使いながら行います。息を吐きながら上体をひねり、そこでゆっくり息を吸って、元に戻していきます。腹筋が緩んで腰の位置が動いてしまわないように注意します。へそから下が瓶のふたで、へそから上が瓶だと想ってやるとよいでしょう。これも左右2回ずつおこなうと、軸の安定性が増します。
自律神経機能が重要だ
さかえクリニックにおけるメディカルサポート 末武信宏
自律神経機能が重要だ
アンチエイジングをはじめ、美容の総合医療を行うさかえクリニックでは、世界アスリーリートを支援しており、最新の医学及び医療機器を用いて、アスリートの体調管理及び身体能力の向上を図っている。末武信宏院長に、アスリートに対するコンディションづくりの取り組みの概要と、そのなかの自律神経機能に関する内容をご紹介いただく。
<アンチエイジング>
●内面からのアンチエイジングでコンディションを最高のレベルに維持する。
トップアスリートがトレーナーやドクターに求める内容は次の3つに集約されます。
■身体能力を上げたい
■故障を早く治してほしい
■選手生命を1日も長く延ばしたい
この3つがかなえばトレーナーとしいての役割は十分果たしたといえると考え、この5年間にわたってトップアスリートに対してメディカルサポートを行ってきました。
私の本業は美容外科です。この数年で美容外科医の診療内容は大きく様相を変え、手術は主たる診療ではなくなり、それに代わってアンチエイジング診療が診療の中心になってきました。アンチエイジング診療は、老化を1つの疾患と見なして若返り治療に当たります。トップアスリートたちに対するサポートも、アンチエイジングという新しい枠組みのなかでとらえることによって、コンディションを最高のレベルに維持することができ、上記3つの要望に応えられると考え、欧米からアンチエイジングの各種療法や検査、治療システムを導入。すぐに多くのアスリートに驚くべき成果が表れました。
アンチエイジングでは、外側からだけではなく、内側からもアプローチします。トップアスリートの場合には、特に内側からのアンチエイジングが有効であり、プラセンタ療法、高気圧酸素療法、活性酸素除去療法(エアナジー)、星状神経節への半導体レーザー照射、アロマテラピー、エナジーカラーセラピー、ハイドロセラピー、クライオセラピー、サプリメント(アミノ酸)、スパーカクテル点滴(プラセンタ、大量ビタミン点滴療法)、ヒーリング、インナーマッスルトレーニング、呼吸法などを採用しています。それぞれアスリートに合った独自のプログラムを組みますが、その前に、血液機能分析、心拍変動解析システム、高精度体組成分折、血圧脈波検査などの最新の測定機器を用いて、定量評価を行い、科学的に取り組みます。
これらのなかから、今回は活性酸素を除去するシステムであるエアナジーと自律神経機能の向上を図るプログラムを紹介しましょう。
<エアナジー>
●活性酸素を除去して、酸素の利用効率を高める
エアナジーは活性酸素を除去し、酸素の利用効率を高めて、疲労回復、細胞の機能活を賦促す機器です。ドイツで生まれたシステムであり、2002年ソルトレークシティー冬季オリンピックの際に利用し、ドイツの代表が銀メダルを獲得したそうです。初めて私が国内へ導入、04年アテネ・オリンピックの際にも、私が総監督を務めるさかえクリニックトラッククラブのアスリートに対して現地へ持ち込みました。また、ボブスレー日本代表もエアナジーをワールドカップ転戦中に使用していました。現在は、シュートトラクック寺尾悟選手、男子フィギアスケート小塚崇彦選手、ラクビー日本代表の栗原徹選手、瓜生靖治選手、多くの野球選手、プロボクサーの疲労回復、身体能力向上などのケアに使用しています。
活性酸素とは、呼吸によって取り入れられた酸素の一部が変化してできた物質であり、本来は体内に入った細菌やウイルスを撃退し、身体を健康に保つ免疫系で重要な役割を果たしているものです。しかし、必要以上に発生して過剰になると、あらゆる病気、老化を引き起こし人体をサビつかせる大きな原因となっています。
現在、存在する病気の約9割は活性酸素が原因といわれています。私たちの身体は、最低でも1日に350ℓの酸素を必要としています。運動によって酸素を取り込む機会が多いトップアスリートは、その量は何倍にもなります。過度な運動活性酸素を発生させる原因になるので、トップアスリートは日夜この活性酸素と戦っているといえます。
チャンバー内の酸素に特殊な赤外線を照射し、一重項状態(反応が高い状態)にし、瞬間的(100万分の2秒間)に発生したエネルギーをチャンバー内の水分子に取り組み、それを鼻孔から吸収して身体に取り込むことで、不安定な活性酸素と直接結びつけて安定した無害な物質に変化させ、活性酸素を減少させる。というのがエアナジーのメカニズムです。一重項状態の酸素が数秒で肺胞から血流に流れ出るため消化・吸収の長い過程を要するサプリメントに比べて、格段に早く組織に作用することができます。短作用で作用するので、活性酸素による痛みなどを伴う疾患に悩まされているアスリートには最適なシステムだといえます。わずか15分間吸引するだけの治療です。
“酸素バー”などで知られる高濃度酸素療法とは大きく異なり、吸引する空気の酸素濃度は21%で自然の空気と同じであり、使用に当たってのストレスは全くありません。活性酸素の除去により、ミトコンドリアの活性が高まり、酸素の利用効率が上がることから、乳酸の低下にも働きます。
<自律神経機能を高める>
●アロマテラピーも同時に行う
エアナジーでは、アロマテラピーが同時に行えます。アロマテラピーは日本では医療としてあまり認識されていませんが、アロマテラピーの本場であるイギリスやフランス、ベルギーでは、医師や医療の専門家などの有資格者がさまざまな病気の治療に用いています。
香りが大脳や視床下部、脳下垂体などを刺激することで、自律神経やホルモンなどの働きが調整されるというのが、アロマテラピーのメカニズムです。エッセンシャルオイル(精油)をエアナジーにセットして鼻孔から身体にアロマを直接吸入するため、精油には厳しい品質が要求されます。クリニックでは、医療用アロマテラピーの精油(サノフロール社製)を使用しています。アスリートには花粉症の選手が多く、その場合には免疫調整機能があり、抗ウイルス効果が強い「ティートリー」という精油を用います。
トップアスリートは心身に過剰なストレスがかかります。ストレスは免疫系、自律神経系、内分泌系に影響を及ぼし、諸症状を引き起こします。試合前に決まって風邪をひくアスリートがいますが、ストレスによる自律神経機能の乱れ(副交感神経機能の低下)が原因です。
自律神経ストレスを受けると、交換神経を緊張させて対抗します。ストレス状態が続くと、交感神経は過度な緊張状態に陥り、白血球中の顆粒球が過剰に増え、リンパ球が減少するということ事態に陥ります。免疫細胞と呼ばれるリンパ球が減少すると、ウイルスに対する抵抗力が極端に低下します。さらに、プロボクサーのように試合前に減量を要するアスリートでは、試合前は食事制限のためにタンパク質の摂取が低下します。リンパ球の産生も抑制されるので、試合間には完全にウイルスに対して無防備な状態になるのです。
どんなに素晴らしいトレーナーについてトレーニングしていても、試合直前に風邪をひいてしまったら、本来の力の半分すら出すことがせきません。これまでの臨床研究及び医学実験によって、アロマテラピーは自律神経機能を向上させる、ホメオスタシスの調整に働くことが、科学的に証明されています。上手に取り入れることによってコンディション維持につなげたいものです。
●呼吸法と組み合わせる
エアナジーを使用する際には、呼吸法を組み合わせて実施しています。呼吸法は自律神経機能を向上させる数少ない方法の1つであり、アテネ・オリンピックのハンマー投げ金メダルを獲得した室伏広治選手も取り入れており、呼吸法の指導を受けるために、アメリカまで月に1回通っていたそうです。
呼吸法によって自律神経機能が高まるのは、特定の呼吸のリズムに、自律神経の働きを調整する圧受容体の反射活動が起きるからです。呼吸によって、息を吐くときには下がり、吸うときには上がるというように、心配数が上下します。この呼吸によって変化する心拍数の変化をRSA(呼吸性不整動脈)といいます。RSAは0.1Hz付(1秒間に0.1回の周波数)に合わせて呼吸をすると、圧受容体という心臓や血圧といった循環システムの変化をとらえる組織の反射活動が起こり、呼吸のリズムと同調して、最大に高まることがわかっています。
循環システムは自律神経支配なので、1分間に6回のゆっくりとした呼吸を行うことによって、自律神経に影響を与える(トレーニングする)ことができるのです。これはバイオフィードバックトレーニングの一種であり、NASAの宇宙飛行士や戦闘機のパイロットのトレーニングメニューにも採用されています。
自律神経機能を高める呼吸法は、1分間に6回の深呼吸、つまり10秒で1回(5秒で吸って5秒で吐く)を基本とし、ゆっくり鼻から吸って、口から吐きます。1分間に6回というのは、医学的な実験によって出された平均値であり、一般的な目安です。実際には個人差(実験では4.5~6.5回/分)があります。したがって、1分間に何回の深呼吸がRSAを高める最適な呼吸数であるかを知り、その上で、自分にとって最適の呼吸数の呼吸法ができるようにトレーニングする必要があります。
<自律神経機能を検査する>
●心拍変動解析システムで測定して、自律神経機能を科学的に把握する
自律神経機能を正しく評価するために心拍変動解析システムを使用しています(写真4)。これまで治療効果の科学的評価が難しかったアロマセラピーなどの効果も、このシステムを用いることによって把握できます。呼吸法のバイオフィードバックとレーニングにも利用しています。
もともとはロシアの科学者が開発して宇宙開発に使用されたシステムであり、ロシア崩壊後、アメリカに渡ったロシア人科学者が立ち上げたベンチャー企業のBiocom社と、技術・臨床研究の提携を行い、最先端のシステムを臨床的に開発しています。「ハートリズムスキャナー」「インナーバランススキャナー」「ハートトラッカー」のシステムで、RSAによって自律神経の機能レベルを調べます。
検査の結果は、パソコン画面に図で表示されます。横軸が交感神経機能、横軸が副交感神経機能のレベルを表します。中央のアリアがノーマルであり、検査結果を示す丸印が右にあるほど交感神経機能が高く、上にあるほど副交感神経機能が高いといえます。トップアスリートは交感神経機能も副交感神経も高いレベルにあることが理想です。一方で、副交感神経機能が低下すると免疫機能が低下するため、風邪にかかりやすくなり、ヘルペスも悪化します。オーバーワークですぐにダウンしてしまう状態です。
図1は古賀琢麻選手の検査結果です。アメリカでは大リーグやNFLと並ぶ人気のNASCARのレーサーであり、スポンサーをさがしながらトップを目指しています。NASCARという過酷なレースのドライバーである古賀選手は、交感神経、副交感神経ともに高いレベルにあります。自律神経機能の能力が非常に高く、極度の緊張のなかでもリラックスできる能力をもつ、才能にあふれたアスリートであることがわかります。
図2は、さかえクリニックトラッククラブに所属中田選手は、日本陸上史上初めて、7種競技でオリンピック(アテネ)に日本代表として出場を果たしたトップアスリートです。この日、中田選手は風邪をひいており検査の結果も副交換神経機能レベルの低下を示しています。リンパ球の低下は抗ウイルス効果の低下を意味します。
<パフォーマンスアップ>
●自律神経機能の高さはトップアスリートにとって重要な能力である
過剰なストレスがかかるトップアスリートほど、自律神経機能は特に重要です。トップアスリートは、パワーアップなどフィジカル面の向上を図るだけでは勝てません。筋肉や自分の身体をコントロールする自律神経機能を向上させることが、1cm、0.01秒の差となってパフォーマンスに表れるのです。
極限のストレスのなかで長時間に渡って戦うレーサーの身体には、通常では考えられない大きさのG(重力)がかかります。古賀選手が活躍するNASCARは、平均時速320kmでオーバル(楕円形)コースを3時間も走り続けるのですが、片側の脳が虚血になる恐れがあるほどの横Gが加わるものの、そうならないのは自律神経がコントロールしているためです。レーサーにとって自律神経機能は、レースを成立させるために重要な能力であるのです。ウェイト・トレーニング以上に自律神経機能トレーニングは重要です(写真5)。
04年6月からサポートしている松田次生選手の場合には、サポートを開始してすぐに顕著な成長が表れました。フォーミュラ・ニッポンのレーシングドライバーである松田選手は、不眠と口内炎、胃腸の不調を訴えてきました。副交感神経機能低下が疑われる症状であり、心拍変動解析システムを使用して調べたところ、交感神経に比べて副交感神経が著しく低下していることが確認されました(図3)。この状態を改善するために、エアナジー、アロマテラピーを用いて治療を行いました。呼吸法もトレーニングに取り入れました。
その効果はすぐに表れ、検査で副交感神経機能が向上したことが確認され(図4)、口内炎や不眠も改善し、神経的にも安定した状態でレースに臨むことができるようになったのです(図5)。そして彼のメディカルトレーナーとして、レーシングドライバーとしての身体能力を向上させる指導を徹底したところ、2ヶ月後に開催された全日本GT選手権第5戦において、松田選手とA・ロッテラー選手のチームが見事優勝を果たしました。(図6、写真6)。05年はFN最終ポールポジションを獲得し、3年ぶりに2度表彰台に 上っています。
自律神経機能の重要性を説くトラーナーや医師はこれまでにもいましたが、検査しているということがありません。調べもせずに自律神経がよくなった、呼吸法がよいなどというのはきわめてナンセンスであり、逆にアスリートにリスクを背負わせることにもなりかねません。定量評価がなければ科学ではありません。当クリニックでは、最先端科学のバックグラウンドのもとでアスリートのサポートを行っています。
<科学的にサポートする>
●アンチエイジグシステムが支える
自律神経機能の向上を含む、私どものアンチエイジングシステム(治療・指導)によって、身体能力の向上はほぼ100%可能であり、故障も早く治すことができます。
阪神タイガースの桧山進次選手はこのシステムによって、重傷から復帰した選手です。左腹斜筋断裂により復帰まで2ヶ月半かかると病院で判断されましたが、①高気圧酸素療法、②エアナジーによる活性酸素除去と乳酸除去療法、③プラセンタ、アミノ酸、ビタミンC・B郡の多量投与、④マイクロウェーブ照射、⑤半導体レーザー照射、⑥ヒーリングによるメディカルサポートによって、2週間で軽いトレーニングが可能になり、3週間でバッティングを開始し、4週間後には1軍のゲームに復帰。03年のリーグ優勝に貢献し、日本シリーズでもタイガース唯一の優秀選手として大活躍しました。これはリハビリでなく、メディカルトレーニングの成果なのです。
05年8月からサポートを始めたフィギュアスケートの小塚選手も、このシステムによって股関節痛でジャンプも着地もできない状態から復活し、11月には日本男子で初のジュニアGPファイナルで優勝。12月には全日本ジュニアフィギュア日本選手権で完全優勝し、世界ジュニア選手日本代表に選出されました。短期間で世界のトップへと躍り出たのです。
トップアスリートの望みである1日も長い競技生活の続行も、アンチェインジングシステムが可能にしています。さかえクリニックトラッククラブに所属する、02年に陸上競技100mマスターズ日本新記録10秒71を記録した青戸慎司選手兼コーチ(当時35歳)や05年のスーパー陸上に110mハードル日本代表として出場し、今なお自己ベストを出し続ける吉岡康典選手(30歳)、4年目のトリノ冬季オリンピック出場を目指しているショートトラックの寺尾選手(30歳)、鈴鹿8時間耐久に参加を続けるバイクレーサーの徳野政樹選手(53歳)、長野オリンピックのショートトラックで銅メダルを獲得し。競輪に転向した植松仁選手(31歳)など、多くのトップアスリートの現役続行をアンチエイジングが支えています。
●トップアスリートに限定した国内初のジム
さかえクリニックトラッククラブアスリートをはじめ、プロ野球選手、プロボクサーなど、これまでにこのシステムで100人を超えるトップアスリートたちのメディカルサポートを行ってきました。さかえクリニックトラッククラブはプライベートチームですが、創部4年で社会人日本一の選手層を誇ります。故障による不振を理由に解雇された元日本選手権覇者や元インターハイチャンピオンという選手たちが、アンチレイジングシステムによって復活を果たしたからです。05年日本選手権には、出場しているチームのなかで最多となる12名エントリーして10名出場。ここ数年のうちに、入賞者数も日本一になるだろうと確信しています。
44歳になる私もアンチエイジングシステムを用いており、身体能力はトップアスリートになる私もアンチエイジングシステムを用いており、身体能力はトップアスリートによって、身体能力を向上させることが可能なのです。
06年4月に、名古屋をはじめ全国に順次、メディカルケアやコンディショニングをとするスポーツジムを開設します。トップアスリートに限定してジムであり、アンチエイジングシステムによるメディカルサポートを行います。そこではメディカルトレーナーの養成スクールの開講も予定しています。選手生命を終えたトップアスリートの受け皿づくりも考えた上でのトレーナー養成です。これをきっかけに、私のシステムが全国にひろがりメディカルトレーニングの重要性が広く確認されれば幸いです。
アスリートが続々取り入れるアンチエイジングメソッド
ケガの早期回復、記録更新など”スポーツ年齢”に異変?!
トップアスリートが続々取り入れるアンチエイジング・メソッドとは?
関西地区のプロ野球選手をはじめとするプロ・アマトップアスリートたちの間で、カリスマ的な人気を集めるメディカルサポート・ドクター、末武信宏氏。
美容外科の分野で培ったアンチエイジング・テクニックを独自に独自の理論を加え、末武氏は今、スポーツ界でのアンチエイジング応用に取り組んでいる。
重度のケガを早期に回復させ、年齢の壁を越えた新記録をぬりかえ、さらにオリンピック代表さえも輩出した、末武氏のアンチエイジング理論。
さて、そのメソッドとはいったいどういうものなのだろうか-
内面からのアンチエイジングでアスリートの能力も向上させる
高齢化を迎える日本のまさにキーワード、それが「アンチエイジング」だ。
アンチエイジングとは加齢を「アンチ=抗する」、つまり、若返りや老化予防を意味する。実際、エステや美容外科や美容皮膚科では、シワやシミを取り除くためのレーザー治療をはじめ「若返り治療」が次々と導入され、アンチエイジング化粧品も続々登場。すでに大きなブームメントもなっている。
「アンチエイジングは『老化や加齢をひとつの疾患とみなして治療する』という目的で医療のフィールドから生まれました。[健康な体で質のたかい長生きをする]ことを目指します。そのためには外側からのケアも大切ですが、それ以上に内側からケアする必要があるのです。」
と語るのは、さかえクリニック院長の末武信宏氏(45)だ。
「皮膚の新陳代謝を支配しているのは血液中のホルモンや生理活性物質。つまり、体の中の血液やリンパ液などの状態を整えなければいくら外的治療を施してもすぐにボロが出てきてしまうでしょう」
ストレスによる活性酸素の除去や食物添加物などの毒素を体から排出すること。内側からのアンチエイジングで、心身の状態を最高のレベルに維持できるという。
末武氏は美容外科分野で培った、これらアンチエイジングの知識と技術を、現在は、アスリートの能力の向上、ケガの早期回復などへも応用し始め、予想以上の成果がえられているという。
ではその実際を見てみよう。
プロ野球、ボクシング、カーレース、陸上etc.
PART1 アンチエイジングがスポーツ各界に新旋風を巻き起こす
末武氏は5年前より、メディカルトレーナーとして数多くのスポーツ選手をサポートするようになった。スポーツ界にアンチエイジングを応用しようとしたのはなぜか。
「スポーツ選手が求めているのは身体の能力の向上ですが、ホルモン補充治療などはドーピングになり行えません。しかしアンチエイジング治療なら体の中の毒素を排出し、免疫力を高め、常にベストコンディションを保つことができる。これこそスポーツ選手に求められた治療では、とその応用を考えたのです」
日本では、スポーツトレーナーというと鍼灸師などが多く、医師が専属するケースはほとんどない。「そこで今まで培った技術、知識、経験を自らの手でスポーツ界へ注いでみようと思ったのです。」
陸上界を中心に次々と広がるアンチエイジングの成果の波紋
そんな折、末武氏のクリニックをホクロ除去のため訪れたのが3度の五輪を経験した陸上の青戸慎司氏(38)だった。この出会いをきっかけに、末武氏のスポーツ界へのアンチエイジングの応用は具体化されていった。
「故障に苦しんでいた青戸選手が、2ヶ月後には年齢別日本最高記録を樹立した。これで確信を持ちましたね。スポーツ界にも応用できると」
さらに実験を重ねようと設立されたのが[さかえクリニックトラッククラブ](SCTC)だ。監督には中京大学中京高校陸上部の北村肇氏を迎え、コーチ兼選手として青戸選手のほか100Mハードルの元日本記録保持者の小林尚子選手が加わった。東海地方を中心にトップアスリートでありながら、故障で現役を引退する選手を入部させ、末武氏の治療とトレーニング指導で復活させていく。2年目にして中部実業団や愛知県選手権で優勝者を輩出し、アンチエイジング・メソッドの基礎を固めた。
SCTCの噂はすぐに広がり、故障が原因で企業から解雇された選手などの入部希望が殺到したという。
「元インターハイチャンピオンや日本選手権を連覇した選手、アジア大会で4位入賞など輝かしい実績を持った選手たちが入部してきました。彼らは仕事と選手生活を同時進行させるという、過酷な状況にいます。そこでメディカルサポート以外にも選手への遠征費、活躍した選手への報奨金の支給など、経済面でも選手をサポートすることにしたのです」
そうした選手の一人に、中田有紀選手がいた。中田選手は昨年のアテネ五輪の陸上7種競技へ、日本人として初めて出場し、創立3年目にして、SCTCは五輪選手を輩出するまでに成長する。この実績は陸上界だけではなく、さまざまな分野のスポーツ選手たちの関心を引き、末武氏のサポートリストも増えていく。中でも関西地区の1軍プロ野球選手のケガの早期回復をさせたことで、F1レーサー、プロ野球、ボクシング、サッカー、空手など、いろんなアスリートがクリニックを訪れた。
現在は、SCTCとフォーミュラーニッポンで活躍するレーショングドライバー松田次生選手などのメディカルサポートを中心に、自身のアンチエイジング・メソッドの強化を進めている。
各界のトップアスリートも注目!アンチエイジング・メディカルサポート
末武氏のもとには現在、多くのアスリートたちからメディカルサポートの信頼が寄せられているという。末武氏のサポートを受けている主なアスリートたち。
●松田次生(フォーミュラ日本ドライバー)
2002年GT選手権総合2位、日本人史上最年少でフォーミュラ日本を制す。現在はF1転向を目標に活躍中。
●中田有紀(アテネ五輪陸上7種代表)
アンチエイジングに取り組むさかえクリニックトラッククラブに所属し、昨年、同種目では日本人として初めて五輪出場をはたした。
●寺尾悟(ショートトラック)
1994年もリレハンメル五輪以来、日本代表チーム入りしている第一人者、トリノ五輪を目指す。
●石井広三(元プロボクサー)
世界タイトル戦などに向けアンチエイジングを取り入れた。現在はボクシングジムを経営し後進の指導にあたる。
アンチエイジングサポートをした主なアスリート
|
分野 |
氏名 |
サポート結果・内容 |
|
陸上 |
青戸慎司 |
2002年 マスターズ日本新記録樹立 (男子100m愛知県選手権で10.71) |
|
陸上 |
中田有紀 |
2004年 日本選手権で5910点の日本新記録を樹立。 7種競技で初めてオリンピックB標準記録を突破。
アテネオリンピック日本代表 |
|
陸上 |
青戸敦子 |
2004年12月 ホノルルマラソン 35歳から39歳の部で1位、 2005年 大阪国際女子マラソン59位 |
|
陸上 |
嶋川福太郎 |
2003年 スーパー陸上 走り幅跳び 日本代表。 2005年4月 今季日本ランキング1位 |
|
カーレース |
古賀琢磨 |
2004年 NASCAR Winstonwestフル参戦 |
|
カーレース |
松田次生 |
2004年9月 GT選手権で 松田次生、アンドレロッテラー組優勝。 2005年フォーミュラニッポン 第2戦準優勝 |
|
ボブスレー |
吉岡康典 |
2004年12月 全日本ボブスレー選手権大会で |
|
ショートトラック |
寺尾悟 |
2005年2月 ワールドカップ銅メダル全日本選手権総合優勝。 金メダリストの西谷選手に競り勝つ |
|
プロボクシング |
杉田真教 |
2002年6月9日 世界ユースWBCスーパーバンダム級タイトル獲得。
2004年12月12日 世界ユースWBCスーパーバンダム級タイトル |
|
プロボクシング |
渡辺 博 |
WBC世界ウェルター級4位。 2002年 OPBF東洋太平洋ウェルター級タイトル獲得 |
|
プロゴルフ |
伊藤元気 |
2002年世界ドライビングコンテスト日本代表。ツアープロ目指す |
|
プロ野球 |
1軍選手多数 |
関西地区球団選手を中心に、多数のメディカルサポートを行う |
海外で評判の先端医療機器からサプリメントまで
PART2 アンチエイジング・メソッドによるメディカルサポート
では、末武氏のアンチエイジング・メソッドとは、具体的にどう行われていくのだろうか。
「クリニックに訪れた選手に3つの約束をしています。1つめは故障を短期間で回復させること。2つめは選手生命を1日でも長く伸ばすこと。そして3つめが身体能力を向上させることです。つまり、ケガの治療だけでなく、さらにパワーアップした状態を作り上げる。これが私のアンチエイジング治療の目的なのです」
それぞれの選手にあった独自のプログラムを組むことで、ベストコンディションを作り上げるという末武氏。
最新医療機器を使ったメディカルサポートのほか、サプリメント療法、心身のコンディションニングを安定したものとするカラーやアロマ療法など、アンチエイジングはじつにバラエティー豊かな角度から行われていく。
ではそんな末武氏のアンチエイジング・メソッドを5つに分けて紹介していこう。
① 血液検査
身体に不足しているビタミンやホルモンから、酵素や活性酸素の発生状況までを瞬時に知ることができるのが血液検査システムだ。
「1万5千倍のBMPV顕微鏡によって、小指の先から数滴摂取した血液をビジュアル的に分析するシステムです。生きた血液と凝固血液を調べることにより身体の老化度がわかるのです。例えば酵素の運搬能力が低下していると疲労感はなかなか取れませんし、オーバーワークやストレスが蓄まっていれば赤血球、白血球に異常が見られます。その時は激しいトレーニングを控えさせ、休むことも大切だとアドバイスするのです。そして不足している栄養がわかるので、摂取すべきサプリメントも一目瞭然です」
このシステムを美容界やスポーツ界へ導入したのは末武氏が全国で始めて。第82回美容外科学会でこの血液分析システムを美容への応用として発表したとき、大きな反響を得たという。「ドロドロ」になっている血液を「サラサラ」にするための適切で迅速なケアやアドバイスが受けられるこのシステムは早期治療を望む選手にとって心強い味方なのである。
② エアナジー
現在存在する病気の約9割の原因といわれ、老化を引き起こす元とされているのが活性酸素だ。タバコやストレス、アルコールなど活性酸素を発生させる要因が多量にある現代社会では活性酸素が必要以上に発生し、人をさび付かせる原因となっている。そこでさかえクリニックが導入したのが、活性酸素を除去するエアナジーという最新機器である。
「これはドイツで開発されたもので、活性酸素に直接働きかける抗酸化機能を有する成分を呼吸を通じて肺に取り込み、過剰に発生した活性酸素を除去する画期的なシステムです。数秒で酸素が肺胞から血液に流れ出るために瞬時にして効果を実感できるのです。活性酸素除去には、ビタミンCやE、イソフラボンやカテキンなど抗酸化機能に優れたものを摂取する方法も有効的ですが、それらを消化吸収するには長い過程を要します。エアナジーは格段に早く直接的に作用するという点が最大のメリットです」
活性酸素除去は末武氏のメソッドのベースにあるため、このマシーンケアはメソッドの必須項目。短期間で作用することから痛みを伴う疾患に悩まされている人には最適なシステムともいえる。実際、ひじを痛めた中田選手をはじめ、常に激しい運動を行っているプロ野球選手や陸上選手、過度の緊張を伴うレーサーなどがメディカルサポートとして取り入れ、故障を回復。結果を伸ばし続けている。
こうした最先端機器の導入は、末武氏のメソッドのひとつの核となっている。そのため、アンチエイジングに効果を発揮しそうな先端マシーンを、世界各国からいち早く輸入し、その効果を測定している。エアナジーのほかにも、体の隅々までに酸素を行き渡らすエアチャンバー、効果的なメディカルダイエットができるステレオダイネーターなど、美容分野で得た最新情報と聞きを活用し、自身のメソッドに組み込んでいる。
③ プラセンタ、サプリメント
スポーツ選手のサポートとして使われているのがプラセンタ。プラセンタには各種アミノ酸をはじめ、ビタミン、ミネラルが多くふくまれていることから美容界でも注目されている治療法である。
「プラセンタには全身の細胞を賦活する作用があり、恒常性の維持には効果が高い製剤です。スポーツ選手のはぜしい肉体的消耗によって発生する活性酸素を制御したり、度重なる負荷によって筋肉や腱に生じた慢性炎症や痛みを改善する作用があります。もちろんドーピング規定に抵触する成分は一切含まれていないので、スポーツ界において大きな成果が期待できるのです」
また、スポーツ選手の栄養保有、パワーアップに役立っているのがサプリメントである。
「数々の臨床データーをもとにアミノ酸サプリメントを開発しました。激しい運動で発生する活性酸素のはたらしを抑制し、人間の持っている能力を最大に引き出します。また免疫力を高める効果もあるので、故障につよいからだを作ることができるのです」
④ 半導体レーザー
自律神経機能を高めるために使われているのが半導体レーザーだ。
「生体機能のほとんどは自律神経によってコントロールされています。ですから自律神経機能をアップさせれば老化を防ぎ、体力の向上を図ることができるのです。半導体レーザーの治療時間はわずか2~3分、交感神経に半導体レーザーを照射するだけ。痛みやリスクのない癒しの治療法ともいえるでしょう」
また半導体レーザーには痛みの物質や炎症を抑える効果があるので、故障した選手の回復に大きく役立っている。アテネ五輪に出場した中田選手もやり投げで痛めたひじを半導体レーザーによって回復。ベストな状態で大会に臨むことが出来た。
⑤ アロマやカラーを使ったヒーリング
アロマやカラーセラピーなど癒しのケアもスポーツ選手を支える大きな治療のひとつである。アロマによって副交感神経上位のリラックスした様態を作ることは、本来基力を十分に発揮する上で大切な役割を果たす。そして今、全く新しいトレーニング法として注目を浴びているのがカラーセラピーである。
「これは自分のエナジーカラーを知ることで自分に潜む力を引き出す方法です。エナジーカラーは人によって生まれつききまっており、青、赤、白、黄、黒の五色に分類できます。そのカラーによって特徴があり、それを知った上で生活やトレーニング内容を工夫することが大切なのです」
例えば青戸選手はエナジーカラーが赤。生まれつきのセンスを生かすタイプなのでパワー系のトレーニングに偏るのはよくないそう。そうとは知らずにずっとトレーニングを続けていた青戸選手が末武氏からアドバイスを受けてトレーニング法を改善したところ、今まで伸び悩んでいた記録が目に見えて伸び始めたという。
スポーツのパフォーマンス向上や健康増進に役立つカラーセラピー、今後ますます注目されていくだろう。
アンチエイジングメソッドとそれを支える先端医療機器
ボディ&マインドを内面から変えていく、先端医療機器を海外から積極的に取り寄せ、独自のアンチエイジングメソッドをつくりあげる末武氏。ここでは、そのほんの一部のマシンと、アンチエイジングの実際の実践例を紹介する。
1.血液分析とプログラムづくり
まずは高性能顕微鏡を使った血液分析による改善点の把握を行う。この結果に応じて、アスリートごとにアンチエイジングを組み立てていく。
採取した血液の状態を高性能顕微鏡で分析する。
2.活性酸素除去装置エアナジー
活性酸素の除去はメソッドの基本。優れた効果を発揮するというドイツ製「エアナジー」はプログラムのマストアイテムとなっている。
ボブスレー日本代表としてトリノを目指す吉岡選手、日本ショートトラックの第一人者寺尾悟選手、
51歳まで鈴鹿8時間耐久に出場した徳野政樹選手なども受けている。
3.各種専門機器を使ったトリートメント
分析に基づき、各アスリートのコンディションに応じた機器を使ってトリートメントを行う。
交感神経系への刺激を与える半導体レーザー器。自律神経のパワーアップで老化を防止。
4.サプリメント、アロマなどを使ったケア
アミノ酸を中心にしたサプリメントの投与やアロマ、ヒーリングなど、メソッドに基づいたケアによって心身のコンディションづくりを行う。
サプリメントやアロマなどの製品も厳格な基準によって選択される。色の持つ特長を生かしたエナジー効果などもプログラムに組み込まれる。
■実践例
CASE1レーシングドライバー松田選手の実例
「メディカルサポート期間」
2004年6月より現在も継続中。
「メディカルサポート目標」
レーシングドライバーにとって最も重要な自律神経機能、神経疲労の耐久能力向上。
「メディカルサポート内容」
① 心拍変動解析(自律神経機能計測システム)によるコンディショニング
②エアナジーによる活性酸素除去と乳酸値の減少、細胞の酸素利用効率の向上。
③ サプリメント(アミノ酸)による乳酸値低下と神経疲労の回復
「結果」
GT選手権で今季初優勝。セバンでのフォーミュラ日本では4位入賞。GT選手権最終選では5位入賞。
CASE2プロ野球選手の実例
「メディカルサポート期間」