美容外科・美容皮膚科 トラブルの実態 No12

儲かる治療はどんどん行う

最近では、レーザー治療機器をはじめ、多くの治療システムや治療法、注入材料が出現して美容治療玉石混合時代に突入です。

私が、美容外科医として働き始めた頃は炭酸ガスレーザーが唯一の治療用レーザー照射システムでした。

18年前、初めて炭酸ガスレーザー照射器を見た時は感激しました。肉が瞬時に切断でき名刺に簡単に穴が開く。

これは凄い。まるで宇宙戦争の最先端武器 レーザーガンのようでした。

子供の頃、あこがれたレーザー銃を手に取った感動でした。しかし、すぐにその治療範囲の狭さと使い勝手の悪さに気が付きました。最初の炭酸ガスレーザーは必要以上に大きくいちいち大きなタンクに炭酸ガスをセッティングしなければならなかったのです。治療目的は切開とホクロの除去だけ。大きな期待を抱いていち早く導入した私も高額な価格の割には使えないな、という印象でした。実際、治療にはほとんど使用しませんでした。この頃、包茎手術ブームで男性専門のクリニックが続々と開業されました。レーザー手術を売りに患者獲得を伸ばしてきました。

しかし、実際は杜撰なものでした。

傷跡は火傷のごとく醜く治癒も悪い。メスでの切開がはるかにキレイな傷跡で治癒することとは対照的でした。

レーザーという名前が魔法のイメージを患者様へ付けてしまったようです。

今では包茎手術をレーザーを使用して行うナンセンスな方法を採用しているクリニックはほとんど見当たりません。フォトRF、ポラリス、サーマクール、フラクセル、スマートリポ、スレッドリフト・・・・新しいシステム、新しい治療が続々出てきました。

医学部卒業後、すぐに開業した医師がこれらのシステムや治療法をいきなり導入して治療を始めます。まるで最新機器のカリスマドクターのごとく。その結果は言うまでもありません。どんな治療も長期予後が重要です。その場が良くても将来、問題を生じる治療であってはいけません。新しい治療技術取得には時間も知識も経験も必要です。

患者様から先生のところは○○治療はどうして行わないの?とよく尋ねられます。○○もできないのですか?とも尋ねられます。経験が無かったり、技術や知識が不十分な時は、当然ですが私はできません。その治療が日本である程度、認知され副作用や予後がはっきりするまではすぐに飛びつくことはありません。医療において利益優先の考えであれば早い者勝ちです。なんでもかんでも治療を行っている医療機関や美容外科医が優れているのでしょうか?

医療サービスはディスカウント店でもデパートでもないのです。

患者様個人に合わせて治療を提供しその後もケアする必要があります。どんな手術でもパーフェクトにできる医師が果たして本当に存在するのでしょうか?どんなトラブルにも対処できる能力を持った美容外科医がはたしてどの程度の割合でいるのか疑問です。

中途半端な知識と技術で患者様へ医療を行う医師がいないことを願います。