美容外科・美容皮膚科 トラブルの実態 No.23

美容外科・美容皮膚科 トラブルの実態 No.23

美容クリニックを狙った悪質な潜入スタッフ

美容クリニックには多くのスタッフとしての勤務希望される方の応募や問い合わせがあります。
女性にとって憧れの職業になりつつあるのでしょうか。
しかし、中には美容クリニックをターゲットとした不当な金員を要求するためスタッフになろうとする者もいました。

Kは、クリニックでの受け付け、カウンセラー業務を希望した30代の女性でした。
面接時、印象が薄かったのですが、どうしても美容クリニックで勤務したいので何とか勤務できるチャンスを与えていただけないかという執拗な要望から オリエンテーションを行うことになりました。
オリエンテーションは、本人が希望する日数、時間でクリニックでの業務を実際、説明し、DVD供覧、受付業務を見学していただくことです。

オリエンテーションで業務内容を確認し継続勤務が可能かを明確にする機会です。
Kは、執拗にオリエンテーション日数を重ねる希望を出し何としてもクリニックで勤務したい旨を幾度も申し出ました。

当初は、大変、仕事にやる気があると考えていたのですが、オリエンテーション中にスタッフへ恐ろしい発言をするようになりました。

2週間ほど勤務した 前職場である 某美容クリニックの中傷や内情を暴露しだしたのです。しかも、自分が嫌がらせやいじめで退職に追い込まれたとんでもない 悪徳クリニックであると話しだしました。
前クリニックは許せない、悪徳だ、とんでもないことを行っているなど 執拗に話すようになりました。
具体的な経営情報や患者様の情報まで語りだし、Kには個人情報の遵守という概念が全くないことが判明しました。

当然、患者様のプライバシーや個人情報をいかなる企業よりも遵守する必要がある医療機関ではこのような人物の採用はあり得ないことです。
また、Kはオリエンテーション中、どうしても美容治療を受けたいと申し出て施術を行いました。
当然、治療費がかかるにもかかわらずKは支払う意思はなかったことが後日判明しました。
オリエンテーション後、Kに対し、採用はできない旨を伝えると態度が急変し、お前たちが丁寧に教えないから業務の理解ができない、お前たちスタッフが酷いなどと散々、悪態をついて帰りました。
数日後、Kから脅迫文がクリニックへ送付されてきました。
3日以内に給与(タイムカードも存在しなければ、時給など一切の取り決めもなく Kの希望通りの期日でオリエンテーションを行っていました。)を支払わなければ法的措置をとるとの内容でした。
第3者介在もにおわせていました。

その後、労働基準監督署から給与が支払われていない申し出がKからあったとの報告があり担当者と面談を行いました。
Kは、医療行為を看護師でもないにも関わらずに行ったなどととんでもない虚偽の報告を行っていたことが担当者の説明で判明しました。また、オリエンテーションにおいてもクリニックへ全く来ていない期日を勤務したと報告していたことも判明しました。
嫌がらせで労働基準監督署へ中傷を行ったのです。
労働基準監督署担当者もKの悪行には驚いていました。
まったくのでたらめな報告であるということが判明し、今後も同様の手口で被害にあう職場が出ないように要請しました。

前職場の院長へも直ちに連絡を行いK退職の経緯と事情を聴くことができました。
同様の手口でスタッフへ悪態をつき問題があったため退職になったとのことでした。
Kのあまりにも不当な行為に大きな危惧をもったため徹底した調査を進めると次々と新事実が出てきました。
クリニックへ下見としてカウンセリングで事前に訪れていたこと(スタッフが問いただしたところ本人は否定)、他の美容外科クリニックで手術をモニターとして受け、その結果に満足しないことを理由にその美容外科クリニックを中傷しモニターとしての責務を逃れていた・・・
美容クリニックを狙った不当行為、利益を得るための常習者であることが関係者の情報から明確になりました。

内容証明郵便で直ちにKへ不当行為を行った場合は刑事告訴を行う旨を伝えたところ嫌がらせはなくなりました。さらなる中傷行為が出れば直ちに当局へ刑事告訴を行う準備を進めていました。
私たち3クリニック以外にもおそらく多くのクリニックが被害をKから受けていると予想されます。

クリニックの内部にオリエンテーション、スタッフ、モニターといった いろいろな形でもぐりこみ 内部情報を得て恐喝を行ったり不当な利益を得ることを計画的に行う者が存在することに驚いた事件でした。
患者様の個人情報を絶対に守るためにもこういった人物へは厳しい対応を行う方針が必要と考えます。