メトホルミンでアンチエイジング

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メトホルミンに関しますお問い合わせが増えてきました。

 メトホルミンは60年以上前から糖尿病の治療に使われて実績のある薬なのです。米国ではFDAが1990年代に認可し、現在では国内におきましてもその薬効と安全性が見直されて糖尿病治療の第一選択薬となっています。

 「メトホルミンの治療効果についてはすでに過去に多くの研究報告があり、糖尿病予備群の糖尿病発症を抑制し予防的効果がある」ことが知られています。

 米国での研究チームが「メトホルミンによる加齢抑制」(TAME)研究は米国の15ヵ所の医療機関で行われる。70~80歳の高齢者3,000人を対象に、メトホルミンを服用する群と服用しない群に分け、5~7年追跡して調査。
寿命、心筋梗塞などの心疾患、がん、認知症などの発症の差を調べます。

メトホルミンで治療している糖尿病患者は長寿?

メトホルミンが寿命を延ばすという研究報告
 米国の研究者から「メトホルミンに健康寿命が延ばすアンチエイジングの効果があると期待しています。糖尿病患者だけでなく健常者でも、抗加齢の効果があるのではないかと考えられます」との報告も。

 英国で行われた大規模研究「UKPDS」では、メトホルミンは他の治療薬と比べ、2型糖尿病患者の動脈硬化を抑制し、心血管疾患の発症リスクを減少させることが確かめられ 米国立老化研究所の研究では、メトホルミンを投与したマウスはそうでないマウスに比べ、寿命が5%延びることが実験で確かめられ、メトホルミンを投与したマウスは摂取カロリー減少、コレステロール値低下、、腎臓病やがんの発症が減少。

メトホルミンを投与された70歳代の糖尿病患者は、糖尿病でない人に比べ死亡率が15%減少したとの報告もあります。

 メトホルミンにがん予防の効果があるという研究もあります。
糖尿病患者は免疫力が低下しているため がんの発症リスクが高く、インスリンおよびインスリン様成長因子が一部のがん発症を促進し、2型糖尿病患者は診断前に血液中インスリンレベルが高い状態が長期間続いていることが多いためです。

 メトホルミンはインスリン産生量を抑制し、がんの成長を抑える可能性があります。また、活性酸素が増えるのを防ぐ抗酸化作用もあると考えられています。

 メトホルミンの特徴は、メトホルミンは糖新生の抑制、筋肉など末梢での糖利用の促進し、腸管からのグルコース吸収を抑制することで、血糖降下作用が期待できます。
最近の研究では、メトホルミンは糖を腸へ排出することが確かめられました。
ダイエット効果も期待できるかもしれません。

 メトホルミンの作用機序がわかってきたのは最近のことで、AMPキナーゼという酵素を活性化させることがわかってきました。

 メトホルミンの重とっくな副作用は乳酸アシドーシスがあげられます。私も医学部の学生の頃メトホルミンの重篤な副作用としてこのリスクを学びましたが現実には高齢者で肝障害、腎機能低下して・・・など多くのファクターが重なった時に起こると想定される副作用で健常な方にはまず問題になることは無いようです。

1990年代になり、世界的にメトホルミンの有効性が見直され、メトホルミンを使った大規模臨床試験が欧米で実施され、メトホルミンの乳酸アシドーシスの発生頻度は低いことがわかってきました。

私も糖尿病でも予備軍でもありませんが、10年以上メトホルミンを服用しています。
メトホルミン服用ご希望の患者様がおられましたらお気軽にご相談ください。

 

Dr. Nir Barzilai on the TAME Study(Alliance for Aging Research 2015年4月28日)
Study shows type 2 diabetics can live longer than people without the disease(カーディフ大学 2014年8月8日)