治療の実際 No.2
バッティングによってカットしたプロボクサーの傷の治療例2..>>
日本タイトルマッチでバッティングによってカットしたプロボクサーの傷 1
この創傷治療で使用する材料  | 
              
<処置の手順>
消毒・ガーゼの応急処置を行われたプロボクサー。  | 
                応急処置での縫合創。一般的には問題ないがプロボクサーの場合には創部の強化が必要。  | 
                応急処置で縫合された糸を抜糸して創口を開いて洗浄する。  | 
              
30Gという極細の注射針で局所麻酔を行う。  | 
                真皮縫合してデッドスペースを無くし創面がぴったり合うようにする。  | 
                創傷治癒を促進させるため、ビタミンC誘導体ジェルの塗布。  | 
              
滲みだす血液を止血するためアルギン酸塩被覆材であるカルトスタットを創部へ被覆する。  | 
                フィルムドレッシング材であるバイオクルーシブを貼る。  | 
                デッドスペースを作らないようにコットンをはさみ圧迫してテーピング。  | 
              
<翌日の傷の状態>
出血もなく瘡蓋も形成されていない。  | 
              
<5日後の傷の状態>
キレイに目立たなくなっている。  | 
              
<プロボクサーの傷ケア前後>
■ケース 1
消毒されガーゼを傷へ直接当てられて来院されたプロボクサー。  | 
                ガーゼが創面にくっ付いてはがす時に出血し痛みを伴いました。  | 
                全く縫合されていなく片側の皮膚片にホチキスが止められ出血し痛みを訴えていました。  | 
              
間違った位置へホチキスで留められていたため創縁がめくれ上がっている。  | 
                創縁が挫滅しているためデブリードマンを行う。  | 
                縫合後、ビタミンC誘導体ジェルの塗布し、カルトスタットを創部へ被覆してバイオクルーシブを貼る。 | 
<翌日の傷の状態>
ホチキスを外し真皮縫合を行い表皮もナイロン糸で丁寧に縫合。  | 
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■ケース 2
プロボクサーのカット創。試合後の応急処置で医療用ホチキスで縫合されていました。  | 
                真皮縫合を行い表皮もナイロン糸で行った翌日の傷の状態。瘡蓋もなく創縁がぴったり一本の線状になっています。瘡蓋を作らないことが傷のケアには重要です。  | 
              
<1週間後の傷の状態>
キレイに目立たなくなっている  | 
              
※ビタミンC誘導体ジェルに関しまして傷の創傷治癒促進効果は未だ確実なエビデンスは得られておりません。
              しかし、臨床経験上有用と考え、一部の傷のケアに使用しております。
              今後のエビデンス確立を期待するとともに研究を本格的に行っていきたいと考えております。
              実際、使用している材料は、添加剤を含まないVCIP基材のジェルを使用しております            








